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新訳紅桜篇
13 成長ホルモンは、夜10時から午前2時まで。
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_「先輩ィ。とりあえず総督に連絡を入れておきますね。
  着いたら連絡するように、と言われていたので。」

 そう、このホテルは鬼兵隊の経費で落ちるのだ。



 ショートメールを送り終わるのを見計らったかのように、似蔵が口を開いた。

_「お前さん、演技がとても上手だねぇ〜。
  学校かどこかで、学んだのかぃ?」

_「いいえ。我流です。今までに出会ってきた人々全てから、心理学を駆使して、身に着けました。」

_「そうかぃ。あと、1つ疑問なんだがねェ〜、
  さっき私につけた仮面のようなものは、いったい何だったんだぃ?」

_「あぁ〜、アレですか。説明いたしますよ。
  あれは、別人に変装するための仮面ですよ。それは特殊な繊維でできているので、うまくつければ、
  まるで別人になりすますことができます。

  今回は、人のいい50代くらいの男性の仮面でした。」

 あ、外しますね、と断ってソレを外す。


_「お前さん、すごい技を持ったもんだねぇ〜。
  敵なしだよ、全く。」

_「ええ。とっても便利な技なので、よく使っております。
  ところで、私も1つ確認しておきたいことがございますが、尋ねてもよろしいでしょうか?」

_「なんです?」

_「あの…今日の昼間、先輩を探しているときに通りすがった真選組隊士たちから聞いた、
  最近巷ではやっている人斬り、というのは…もしかして、先輩のことですか?」

_「…あぁ。多分そうだねぇ〜。
  最近おニューの刀をもらった、って言ってただろう?」

_「もしや、紅桜のことですか?」

_「おぉ〜、そうさ。頭がいいねぇ〜アンナは。
  さっそく使っていたくなっちまってねぇ〜、

  つい桂小太郎殿を手にかけてしまった。
  だが、これを言えば、おそらく高杉(あのかた)にこっぴどく叱られるだろうねぇ〜。」


 …だからって、ヅラを…。


_「そうなのですか…。大変ですね、先輩も。
  あ、あと明日はお互いに、8時ごろに起きて身支度をいたしましょう?

  明日早くには、私はまた真選組に潜入せねばなりませんので。とりあえず起きて支度が済んだら、
  また仮面をつけてくださいね。」

_「承知した。」

_「あと、先輩の明日のスケジュールで、私がサポートしたほうがよいことは、ありますか?
  ちなみに、私は明後日の夜には鬼兵隊に戻るスケジュールですが…。」

_「…いや、明日は特にないねぇ〜。
  あと、私は明日の夜には船に戻る計画だから、大丈夫だよ。」

_「了解です。では明日、私がチェックアウトを済ませておくので、先輩は朝ごはんを食べ次第、
  そのままホテルを出てください。」

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