暁 〜小説投稿サイト〜
新訳紅桜篇
11 かんさつはスパイである。
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 ったく。晋助のやつ、トイレに行くのまでも「ついていく」とかいう始末で。
 いちいち引きはがすのが面倒だった。

 今日になってやっと、私を離してくれる決心をしたらしい。
 いったい、いつになったら思春期を脱してくれるものか…


 …という訳で、今日からやっと任務につける。
 任務に就く前に見た似蔵からの手紙によれば、もう先に行ってしまったらしい。



 さてと、行く準備ができたから、一応荷物をまとめたトランクを晋助に預けた。
 モチロンこれにも、マグル用と魔法界用のスイッチを付けてある。

 魔法界用のスイッチは、絶対に私以外には開けられないから、大丈夫。




 何もかもを済ませ、とりあえず江戸に降り立った私は、早速最初の任務先である、真選組屯所に向かった。そう、皆さんもそろそろお気づきの通り、まず最初の私の任務は、「監察方」として、真選組に真実と嘘が半分ずつ入った情報を流すことだ。


 今回もまた持ってきた「魔法のバッグ」から取り出した真選組の服を着て、元監察方の者の顔の仮面をつけた。名前は確か…山崎とか言ったか?

 ま、とにかく「山崎」になりきって屯所に忍び込むために、念のため、その仮面の上にまた違う男の顔を張り付けた。そして、計画を実行する。




 さて、まず屯所に忍び込んだ私は、「山崎」を発見した。案外すぐに見つかったものだ。
 そして、山崎(かれ)を気絶させ、「obliviate(オブリヴィエイト)」と唱えた。

 そう、これは「忘れよ、」の呪文。これなら仮に彼が目覚めても、大丈夫。
 記憶を書き換えておいた。


 この呪文は、かなりキツいので、彼の場合、1週間程度で意識を取り戻すだろう。
 それまで「魔法のバッグ」の中に置いてある部屋に閉じ込めておく。



 次に、局長たち、幹部の元へ向かう。この時には、もうすでに山崎の顔だ。
 そのあとすぐに、運よく副長を見つけた。

 「江戸に鬼兵隊の高杉が来ていて、近々クーデターを起こすつもりだ、」という情報を彼に報告する。
 そして、すばやく着替えて、一庶民の村娘の格好をし、似蔵を追った。


 いったいどこへ行ってしまったのか、

 まるで見当もつかないので、とにかく町のかふぇに行って、渡されていたスマホから似蔵にコンタクトをとる。だが、何度かけてもつながらない。

 どうしようもないので、あてもなくブラブラしていると、通りすがった真選組隊士たち(多分、見回りの最中だったのだろう…)から、最近巷で辻斬りが横行している、という情報をgetした。

 …もしや、と思い、平静を装って路地裏に入り、晋助に連絡を取った。


_「もしもし、こちら零杏。晋…いや総督はおいでですか
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ