ペルソナ3
1962話
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こうも暇だったらしくてな」
ここで道を聞かれていたといった風にとぼけるのは、この場合得策ではない。
美鶴だけが相手ならばそれでも良かったのかもしれないが、今回の場合はゆかりと山岸に逆ナンだったというのが既に知られている。
そうである以上、下手に誤魔化すのはこっちに何か隠したい事があったからだと、そう思われても仕方がない。
なので、取りあえず向こうが暇だったから話をしたと、全くの嘘でもない風に話をしておく。
「ふーん。……ま、いいけど」
ゆかりは俺の考えに半ば気が付いていたようだったが、それでも折角屋久島に来たのに、下手な事で揉めるのは面白くないと考えたのか、それ以上追求するのは止めたらしい。……助かった。
そう思っていると、何故か順平が興奮した様子で口を開く。
「おおっと、岳羽ゆかり選手の水着はビキニタイプ!? 高校生らしい、しなやかなで若さの溢れる肢体をビキニという布地の少ない水着に包み込むその姿は、まさに若鮎と表現するに相応しい! 張りがあるようで、柔らかそうなその皮膚は、触れる者を楽しませてくれるのは間違いない!」
いつものゆかりッチという呼び方ではなく、岳羽選手という妙な呼び方をしているのを、呼ばれたゆかりの方は胡散臭そうに見つめる。
その上で順平の視線から自分の肌を隠そうと身をよじるのは、順平の視線に好色的なものを感じたからだろう。
「つづけて、山岸風花選手。大人しい性格とは裏腹に着痩せするのか、普段からは到底考えられないような身体をしているぞ! しなやかな筋肉がついている岳羽選手と違い、山岸選手の身体は柔らかい、女らしさを重視しているのか!?」
「……」
順平の言葉に、山岸は頬どころか顔を真っ赤に染めながら有里の後ろに隠れる。
山岸に頼られた有里は、表情そのものはいつもと変わらないものの、どこか嬉しそうな雰囲気があるように思える。
山岸に頼られたのが、嬉しかったのだろう。
「そして大トリを飾るのは、桐条美鶴選手! これは……これは、凄い! とにかく凄いとしか言えない、完成した大人のボディライン! 女子高生とは到底思えない母性の象徴たる双丘に、引き締まった腰。そのボディラインは、到底女子高生のものとは思えない程の代物だぁっ!」
そして最後に美鶴についての感想を口にする順平。
……取りあえず、順平が3人の水着姿にどう思っているのかというのは、俺にも理解出来た。
そして、順平の審美眼が間違っている訳ではないというのも。
実際、順平が口にした内容は正しい。
ゆかり、美鶴、山岸の3人は、この砂浜でもかなり目立っているのは間違いないのだ。
だが、普段であれば男がいてもナンパに来るような奴がいてもおかしくはないのに、そういう連中が来ないのは……真田
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