第七十九話 士官学校の嵐
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残った連中はフレーゲルの取り巻きや、門閥貴族のどら息子、フレーゲル達に迎合する者、事なかれ主義な者達などであった。
はっきり言って、士気も低く役立たず揃いである。
此を果たして矯正出来るかは神のみぞ知るだが、ほぼ無理と言いたい。
全教官と全校生徒が集まり、校長が今日も胃痛のせいで顰めっ面をしながら訓辞を述べる。
「本日より、格闘術の臨時教官として、
装甲擲弾兵副総監オフレッサー大将閣下以下6000名が赴任した。
又、シミュレーションの教官として、ワーレン大尉とライブル大尉が赴任した」
4号生、2号生、1号生は概ね友好的な趣で話を聞いている。
3号生は、未だ寝ぼけている者、敵意丸出しの者、怯えている者など三者三様である。
校長が壇上から降りると大将の制服を着た大男が代わりに壇上に上がってきた。
オフレッサーは全校生徒2万人強をジロリと見ると挨拶を始めた。
「儂が装甲擲弾兵副総監アルノルト・フォン・オフレッサー大将である」
非常に大きな地声が響き渡る。
「今回の派遣は、恐れ多くも勅命によるものである!」
そう言うと先ほどフレーゲルに見せたように、
懐から勅書を恭しく出し皆に見えるように掲げる。
その勅書が校庭にある大ビジョンに写されると生徒達から声が上がった。
4号生、2号生、1号生達は3号生を見ながら、
さも有らんという顔をしている。
3号生は青い顔をし始める者達が多数出てきた。
「卿等いいか、この1年で俺達装甲擲弾兵6000名が確りとした士官になれる様に教育してやる!
楽しみにしているんだな」
そう喋るとオフレッサーは壇上を降りて行く。
続いてワーレンとライブルが挨拶をしたが、
オフレッサーの記憶が強力しすぎて、さほど目立たない状態であった。
それでも、ミュラー候補生やバイエルライン候補生などは、
新規シミュレーションを面白そうだと考えていた。
その後3号生のみ校庭に残され、
サボっていた軍隊式運動を装甲擲弾兵の監視の元。
みっちりとやらされた。
■オーディン 帝国軍士官学校寮 フレーゲル男爵部屋
当日は格闘の授業がなかった為に何も起こらなかったが、壊れたドアを直した。
オフレッサーによる朝のしごきに頭にきたフレーゲルたちが、夜間にあつまり、
巫山戯るなと散々悪口を言い合うので有った。
その席でヒルデスハイム伯がブラウンシュヴァイク公爵なら勅許を何とかしてくれるはずだと言い始め、
フレーゲルにみんなが頼んだ為、派閥の親玉としては出来ないとは言えずに連絡を入れたのである。
「伯父上」
『おうヨアヒムかどうした?』
「オフレッサーが士官学校に来まして」
『うむ陛下からお聞きしている』
「伯父上」
『勅許は儂でもどう
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