第七十九話 士官学校の嵐
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聞かねばならんのだ!」
「ゴタゴタぬかすと潰すぞ!」
股間に向けてでかい手が繰り出されてくる。
「ひぃ」
フレーゲルは逃げ出す。
しかしオフレッサーに回り込まれてしまった。
「判った着替えるから判ったから」
とうとうフレーゲルが降参した。
「フン。最初からそう言えば良いのだ。
3分以内に着替えて集合だ!」
フレーゲルは、オフレッサーの鋭い眼光にビクつきながら、
伯父上に言いつけて此奴を何とかしてやると小悪党のような考えをしている。
それに気がついているのか、オフレッサーがドスの聞いた声で注意してくる。
「ブラウンシュヴァイク公爵に泣き着こうとしても無駄だぞ。
お前等478年度生の教育は、恐れ多くも、勅命によるものである!」
「皇帝陛下がだと、世迷い言を!」
「そう言うと思って陛下から勅書を頂いてきた」
そう言うオフレッサーが恭しく懐から勅書を出し、フレーゲルに見せてくる。
「こっこれは」間違いなく。
ブラウンシュヴァイク邸で見た皇帝陛下の御宸筆と同じ筆跡であった。
「どうだ、此でも従わぬのなら、卿は不忠者と言う事になる」
フレーゲルは今は従うしかないと考え着替えを始めるが、
普段はアリーセに手伝わせている為に中々はかどらない。
時々オフレッサーが足で床を踏んで大きな音を鳴らす度にフレーゲルはビクつく。
「もう3分経ったぞ、未だ着替えられんのか!」
フレーゲルは、パンツにシャツだけの状態で慌てている。
女性ならセクシーなのだがフレーゲルでは気持ち悪いだけだ。
7分が過ぎやっと着替え終わった。
「よし行くぞ」
オフレッサーはフレーゲルを引っ立てて部屋を出て行く。
部屋には、全裸のメイド、アリーセがベットで毛布を被り縮こまっていた。
「ご主人様。わたくしはどうすれば宜しいのですか><」
アリーセの呟きが壊れたドアに虚しく響いていた。
同じ時刻、士官学校寮内各所で同じような悲鳴が上がっていた。
「ぎゃーーーーー。」
「うわーーーーー」
「たすけてくれー」
「ひえーーーーー」
「うわあああー」
「死ぬーーー」
「命ばかりは・・・」
10分後寮内は恐ろしいほどに静かになっていた。
そして7時の時報が流れた直後。
校庭には制服も滅茶苦茶な着方の3号生4650名が集められていた。
校庭には朝の軍隊式運動を終えたばかりの4号生、2号生、1号生が整列して待っていた。
478年度生は、元々入校時5100人の在校生であったが。
心ある者はフレーゲルに反発した結果、ブラウンシュヴァイク公の権力で嫌がらせを受け、
1年留年させられて479年度生に編入させられていたのである。
その為479年度生は5550人という大クラスになっていた。
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