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十六夜咲夜は猫を拾う。
第5話
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『あっ…ち、ちがっ…ごめんなさい…!あの、でも…この目は…』

やってしまった、と思っているのか、白夜はとても焦っている。目のことについて話そうとしているのだが、言葉に詰まって話せないようにも見える。でも、今はそんなことより他のことが気になった。

『…ねえ、白夜。貴方さっき、私の手を振り払った?』
『………い、いえ…あの…触ってないですし、振り払うなんて…』

やはりそうだ。
私の手はさっき確かに振り払われた。だが
白夜は触れてもいないし何もしていなかった。
それに、振り払われた時のあの感覚。
静電気よりも弱い程度の電流が手にパチッと
流れた。痛くはなかったが、それよりも
何も無いところから電流が走るなんてこと、通常じゃありえない。でも、

『白夜がなんらかの能力を持っていたら可能…よね』
『え…あ…』

考え事が口に出ていたようで、それを聞いた
白夜は未だに酷く怯えているようだった。

『白夜、私は大丈夫よ。…貴方、能力は何かしら?』

面倒くさいことは抜いて、直球で聞いた。
さっきの出来事で怯えているのは少しおかしいような気がしたから。
あの出来事が仮に白夜の能力によって起きたことだとしたら、ここまで焦って、怯えて、震える必要なんてあるはずが無い。
能力は自分が意識して、捉えて使うもの。
無意識下でもない限り、焦る必要なんて…

『…事実、又は結果をねじ曲げる程度の能力』
『え?』

落ち着いた、少し低めのトーンで紡がれた
冷静な言葉に戸惑い聞き返してしまう。
白夜は聞き返され、目を泳がせていた。

『ごめんなさい、あの…さっきの手、振り払ったやつ…多分私が無意識でやってしまったものだと思うんです。
いつもこうで…』
『いつも…?』

疑問に思った点を聞き返していく。
どうやら、これは初めてではなく既に何回かあるようだった。

『意識していないのに、望んでさえいないのに、能力が暴走して…。なんでもかんでも捻じ曲げて、逆転させてしまって。晴れだった天気を豪雨に変えてしまったり、季節さえも変えてしまったり、人の命までも危うくしてしまったんです』

『全部、無意識で?』

ゆっくりと問いかけると、白夜は控えめに
こくりと頷いた。

『驚いたわね…抑えたりする事はできなかったのかしら。』
『無意識だったから自分でも驚いちゃって…それで』

話を続けようとした時、バスルームの扉が開いた。

『…話は聞いていたわ。咲夜。』
『お嬢様…!』
『大丈夫よ、なんとなくこうなる気がしていたから。』
『え…あ、えっと…』

白夜より少し小さいレミリア。
レミリアは手でワンピースを少し摘み、
『申し遅れたわね。こんな所で申し訳ないけど、自己紹介させてもら
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