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提督はBarにいる・外伝
提督はBarにいる×とある提督の幻想殺し 編
不幸な青年提督がやってくる?
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とする。そのフレンドリーさや優しさ、時折魅せる男らしさにコロッとイカれてしまうのだが。自分もコロッとイってしまったクチだから、他のLOVE勢の皆さんに『チョロい』なんて口が裂けても言える事では無いんですが、と余計な事ばかり考えつつ、早霜は無表情でグラスを磨く。

「あ゛〜……やっぱり司令の料理を食べると落ち着きますねぇ。こういうのを『おふくろの味』って言うんでしょうか?」

「俺はお前らのカーチャンかよ」

「いやぁ、司令は男性ですから父子家庭って奴じゃないですか?」

「おいおい、一応結婚してんぞ俺ぁ」

「って言っても、金剛さんも元は娘みたいなモンでしょ?娘と肉体関係持って、近親相姦の上にハーレム状態で娘と重婚までするとか……世界の性犯罪者もビックリですね!」

「そういう誤解を量産する言い方止めてくんない!?」

 部下と上司というには、あまりにも砕けすぎな会話を交わす提督と青葉。お互いに長い付き合いだし、青葉も提督は好ましいと思っている。が、他のLOVE勢のようにベタベタとくっつきたい訳ではなく、そのイチャラブを傍観して適度に弄る位の今のポジションが心地いいのだ。特に恋愛感情や結婚願望等は無いが、この居心地の良い空間を壊したくないという思いは本物だと自負している。

「はぁ……まぁいい。ホレ、とっとと資料出しやがれ」

「あぁ、そういえば渡してませんでしたね」

 よっこらしょ、と青葉の隣に腰掛け、手酌で自分の分のハイボールを拵える提督。グビリと飲み込んで喉を潤し、青葉が差し出した資料に目を通していく。

「名前は上条当麻、所属は……呉第37鎮守府?ここって確か」

「えぇ、三笠お姉さまにクビ(物理)にされた提督のいた鎮守府……所謂ブラック鎮守府って奴でふね」

 食べる手を止める気は一切無いのか、唐揚げを頬張ってモッキュモッキュしながら提督の疑問符に青葉が応じる。未だに艦娘の人権を認めず、道具のように扱うブラック鎮守府は後を絶たない。元帥の座を退いて(形だけの)隠居したジジィと三笠は、そんな鎮守府を秘密裏に潰して回っているらしい。そのやり方はシンプルで、事前に調査してクロだと出た鎮守府に真夜中忍び込み、提督の首を飛ばすのだ。政治的な比喩表現ではなく、物理的にである。そして警備から逃げおおせるという、どこの仕事人かと尋ねたくなるような事を旅行の片手間のつもりでやらかすから質が悪い。余談ではあるが、三笠の敬称は『お姉様』で統一されている。人外の化け物では?と本気で疑われている提督を一人で制圧しうるガチの化け物に、

『教官では無くなるのだ、そうだな……おば様というのは嫌だしお姉様とでも呼んでくれ』

 と言われたら、返事は『YES』か『はい』しか出来ないだろう。

 閑話休題。



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