ペルソナ3
1961話
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うぜ。東京とかと違ってそこまで人が多いとは思えないけど、それでも少しでも良い場所を取りたいだろ?」
そう告げる順平の手には、飲み物が入ってるのだろうクーラーボックスや、海で使うでかい日除けの傘……ビーチパラソルだったか? それが何本かある。
まさに、遊ぶ準備万端といったところか。
「そうだな。ここで待ってるよりは、そうした方がいいだろ」
俺の意見に誰も異論はなかったのか、俺達はそのまま砂浜に向かう。
桐条家の別荘から砂浜までは、そこまでの距離はない。
……屋久島だからこそ、それでもうるさくはないんだよな。
これがもし、首都圏にある砂浜の近くだと、夜になれば花火やらバーベキューやらで、かなりうるさい事になっていただろう。
そうして砂浜に到着すると……
「やーくーしーまー!」
不意に叫び声が聞こえてきて、思わず驚きの表情を浮かべる。
いや、もしこれで叫んだのが順平であれば、俺もそこまで驚くような事はなかっただろう。
だが、叫んだのが普段は大人しいというか、面倒臭がりな有里となれば、驚いて当然だった。
「あ、有里……?」
驚いたのは俺だけではなく、真田も同様だったのだろう。
唖然としながら、有里に視線を向けていた。
当然のように、順平も有里に驚きの視線を向けている。
「いや、ちょっと何となくエリザベスに言われてたから」
「誰だよ、エリザベスって」
有里の口から出てきた女の名前に、思わずそう突っ込む。
……いや、けど本当にエリザベスって誰だ?
山岸の名前が出てくるのであれば、特にそこまで気にするような事はなかったのだろうが、まさかここで他の女の名前が出てくるとは思わなかった。
エリザベスという名前からして、外国人の女だろう。
もしくは源氏名という可能性もあるか?
そんな風に考えつつ……再び、『やーくーしーまー』と叫んでいる有里を、俺達は眺めるのだった。
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