ペルソナ3
1961話
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ような場所だけに、植生とかも沖縄の影響があり……真田が口にした南国風という点は間違いなくある筈だった。
だが、それはやはり自然のある場所であればの話であって、こういう港ですぐにそれを分かれというのは難しいだろう。
ああ、でも海の色とかは東京とかで見るよりも綺麗ではあるが。
「皆、こっちだ。別荘に行くぞ」
真田と共に周囲の様子を見ていると、そんな風に声を掛けられる。
美鶴の声がした方を見ると、そこでは以前俺が乗ったのと同じような、黒塗りの高級車の姿があった。
……勿論この車を東京からわざわざ屋久島まで運んできたとは思えないので、恐らくはこの屋久島にある別荘で使っている車なんだろうが……このレベルの高級車をほいほい用意出来る辺り、桐条グループの財力がどれだけのものかを示している。
車の類には殆ど詳しくないが、それでも桐条グループの令嬢の美鶴が乗るような車ともなれば、外見だけが立派で中身はその辺の車と変わらない……なんて事はないだろう。
となると、性能も見かけ同様のものであり、防弾だったり乗り心地だったりを突き詰めて設計されている筈だ。
数十万、数百万程度では買えない……数千万、それこそ下手をしたら億単位の金が掛かっている可能性も否定は出来ない。
そんな車を複数用意する辺り、桐条グループがこのペルソナ世界でどれだけの力を持っているのかを意味している。
「うわっ! この車ってかなり高いんじゃねえ?」
順平が車を見てそんな風に騒ぐが、その審美眼は正しい。
……この場合、審美眼って表現は正しいのか?
ともあれ、このままここにいれば悪目立ちするのは間違いないので、俺達はさっさと車に乗って桐条家の別荘に向かう。
『お帰りなさいませ、お嬢様』
そうして車から降りると、別荘の前には多くのメイド達が待ち構えていた。
「うわ……」
そう声を発したのは誰だったのか。
ともあれ、メイド達の花道とでも呼ぶべき道の中を、俺達は進んでいく。
当然他の面々も美鶴以外はそんな光景に慣れている筈がなく、呆然とした様子だ。
有里のみは、いつものように動じた様子がなかったが……それが本当に動じていなかったのか、それとも単純に動揺を表情に出していなかったのかは、俺にも分からない。
ともあれ、そんな感じで別荘の中に入ると、順平はようやく安堵の息を吐く。
だが、その安堵の息も、すぐに別荘の中を見て止まってしまう。
なかなかの広さを持つ別荘だけに、そうなってしまうのは当然だ。
考えてみればメイドが20人近くいたんだから、その辺の事情を考えればそれだけの人数がいないと別荘の手入れが出来ないという事なんだろう。
勿論、普段はこの別荘を維持出来る程度の人数がいればそれでいいんだろうから、こ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ