暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第3章 『ネコにもなれば』
第40話 『知名度』
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プを回す。


「見たか?」
「……なにを」


 ヴィータは肩を少し落としたあと両手を後ろに回す。


「ネコだよ」
「ああ、あいつか」


 すこし紅茶の水面を揺らす。


「上司にすげェ注意されてやんの」
「……そうか」


 シグナムはどこか所在がない。


「それでな『はい』とか『もうしわけありません』とか言っててさ、一蹴されてた」
「……そうか」
「不備が見つからないのに怒られてんだぜ? 変だよな」
「そうだな」
「多分アレだぜ? そろそろ見るもの無くなってまた怒られるんじゃなねェかな」
「かもな」


 シグナムは別に生返事をしているわけではない。それ以外に返事のしようがないのだ。
 今は少しの合間に休憩をと部下より促されとっているが特に二人は疲れなんてない。


『……』


 しばしの無言のあと


「おかしくねェ??」
「なにがだ?」
「ネコさ、すごいできるじゃん! あいつ肩とか押されて突き飛ばされてたんだぜ!?」
「で、どうするんだ。その場で訴えるのか?」
「――そんなことしたら、アイツがもっと何かされる」
「わかってるのに部下に促されてここに来たな」
「……」
「それでそのお守りが私、と」


 そこで一口紅茶を飲み、シグナムは大きく息をはいた。


「部署によってその空気が違うのはわかってただろう? ましてや査察だ」
「んなのわかってるよ! 自分がそんな場所に行ったことないし、今回だってそうだ。そういうところは恵まれてるなって思ってる……けどよ」


 ヴィータはシグナムのほうを向き顔を上げて訴えた。


「知り合いがいると違うか?」
「……」


 その言葉に顔をゆがめると目線を落としてふるふると頭を振る。


「最初はそう思ったけど、違うみたいだ」
「そこは同じだな」
「っ!?」


 驚いてヴィータは目線をあげると紅茶を飲み干してぐしゃりとコップを握りつぶした。


「コタロウがあんな風に扱われると、腹は立つ」
「シグナム?」
「ただ、現状」


 くずかごにそれを捨ててそこに目を落としながら彼女は口を開いた。


「コタロウは六課の局員ではないからどうすることもできない」
「そりゃ……そうだけどよ」
「主はやては今夜アポを取ってるそうだ」
「……アポ?」


 シグナムは頷く。


「電磁算気器子部工機課に」
「え?」
「それでな」


 ヴィータの髪をわしわししながら彼女は目を細めて、


「一人だと心細いから一緒に来てほしいらしい」
「……」
「どうする?」
「行く! 行くぞ!」


 彼女の目に輝きを得始め
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