暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第3章 『ネコにもなれば』
第40話 『知名度』
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、わかりました。おい、行くぞ」
「はい」


 男の呼びかけに従い、あとを追うコタロウはその男とともに六課内に消えていった。


「それでは隊長室へ案内をしていただいてもよろしいですか?」
「え、あ、わかりました」


 先ほどの査察官を目で追うはやてが気にかかるも、オーリスは自分の仕事の前では些細なことでしかなかった。






 フェイトはこのいかにも自分たちの粗探しをするような重箱のすみをつつく質問をするウラカン・ジュショーの挑戦的な目より、その横で報告をしようと微動だにせず立っているコタロウが気になって仕方が無かった。
 そしてなにより、


「あー、はいはい。次これな」
「はい」


 彼の報告をないがしろに生返事することが不快であった。


「それでですね、テスタロッサ・ハラオウン執務官?」


 そして昨日まで呼ばれていたこの呼び方もまた不快感を得ずに入られなかった。


「それはですね……」


 周りでそのやり取りを聞いている六課局員たちは彼女がいつもなら口少なくとも優しさを感じていた会話が今日はうってかわって厳しいことにすぐに気づいた。もちろん今日が査察日でいつもと違う対応をしているのだろうと思ったがそれを差し引いてもその言葉に乗る感情に不快が混じっていることは間違いようが無かった。おそらく、それに気づいていないのは今彼女に質問をしている男だけであろうこともわかっていた。


「ははぁ、なるほど。つまり……」
「ジュショー一等陸尉」
「なに」
「この書類も問題ありません」
「問題ないならいちいち報告するな。作業を続けろ」
「それでは、進行度を粒度を上げてご報告いたします」
「あァ」


 彼は腹立たしげに部下を退かせ、またフェイトのほうへ目線を向けると顔をしかめているのがわかった。それを彼は今の質問がなにか虚を突いたのかと思い質問を再開しようとする。


「失礼しましたね、それで――」
「あのっ」
「なんです?」
「……いえ、なんでもありません。質問を、どうぞ」


 フェイトはつま先を彼からいっそう離し、顎を落として疲れたようにため息を吐いて質問を受け付けた。応対にミスをしてはいけないのは当たり前で、緊張感を持って臨んでいてもこれほど仕事に身が入らないのは初めてかもしれないとフェイトは思った。


(……つまんないな)






△▽△▽△▽△▽△▽






「なァ、シグナム」


 給湯室で壁に寄りかかりながら隣にいる女性に呼びかけると、彼女は隣を見るわけでなく、紙コップに注がれている熱い紅茶の水面に目を落としていた。


「なんだ、ヴィータ」


 少しコッ
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