暁 〜小説投稿サイト〜
レーヴァティン
第四十一話 大江山その一

[8]前話 [2]次話
               第四十一話  大江山
 英雄達四人は大江山に向かっていた、山々を越えていきそうしてだった。目的地に向かっていたが。
 地図を見つつだ、良太は仲間達に言った。
「今日進み夜は寝て」
「そして明日の朝出発すればですね」
「明日の九時頃にはです」
 こう謙二に答えた。
「大江山に着きます」
「目的地にですね」
「はい、後はです」
 大江山に着けばというのだ。
「賊共の隠れ家を探すだけです」
「数百人もいますから」
「隠れ家といいましても」
「ほぼ砦でしょう」
「それだけの大きさで、ですね」
「そしてです」
 謙二は考えつつ言っていった、賊達の規模を考えながら。
「隠れるにしましても」
「数百人ともなりますと」
「かなりの規模ですから」
「隠れてもいないでしょう」
「むしろ隠れられないですね」
「まさに砦です」
 それだけの規模だというのだ、いる場所も。
「ですから」
「それで、ですね」
「戦うにしましても」
「大立ち回りですね」
「そうなりますね」
「そうだな、しかしだ」
 ここで英雄が言った。
「そうなろうともな」
「勝てる」
「そうだというのですね」
「何度も言うが所詮は賊だ」
 それに過ぎないからだというのだ。
「武器を持たない相手から奪うだけのな」
「戦う者達ではない」
「それ故にですね」
「これが軍勢なら違っていた」
「戦いを知っている者達なら」
「それならば」
「そうだ、むろん足軽くずれなりもいるだろう」
 そこから賊に身を落とした者達もというのだ。
「しかしな」
「今は違う」
「戦いを忘れている」
「武器を持たない民衆を襲って奪うだけ」
「そうした者達に過ぎないからですね」
「何でもない」 
 例え数百人いてもというのだ。
「烏合の衆だ、だからだ」
「特に気にせずにですね」
「行くのですね」
「だからお一人でもと言われたのですね」
「大丈夫だと」
「その様な連中より巨人一人の方が手強い」
 今も時折出て来る彼等の方がというのだ。
「そして俺達はその巨人共をこれまで何度も倒してきた」
「それも何体も同時に」
「そうしてきたからこそ」
「何でもない筈だ」
 こう言うのだった。
「違うか」
「いえ、その通りです」
「まさに」
 謙二と良太も英雄にこう答えた、見れば智も今は何を言わないがそれでも二人と同じ表情を見せている。
「賊程度一人で出来ない様では」
「巨人なぞな」
「最初から相手に出来申さぬ」
「数は多い」
 賊達のそれはだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ