ペルソナ3
1960話
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いや、既に大体の勉強は以前やって覚えているので、学校の授業そのものが復習だと言われれば、それは間違っていないんだが。
そんな訳で、テスト勉強と言われてもな。
これでも、士官学校を主席で卒業した身なのだから、高校の勉強くらいは容易に出来る。
敢えて注意するのは日本史や世界史といったものだが、それだってそうだと知れば、覚えるのはそこまで難しい話ではない。
これも、混沌精霊になったおかげだったりするんだろうが。
ふとそんな事を思うも、取りあえず今は気にしない事にしておく。
「そういうゆかりも、慌てているようには見えないけど?」
「それはそうでしょ。一応、しっかりとテスト勉強はしてきたもの」
そう告げるゆかりの表情には、特に不安な色はない。
元々中間試験でもゆかりの成績は決して悪いものではなかった。
いや、張り出された成績上位者の中にゆかりの名前があったのを思えば、それこそゆかりは成績上位者と言ってもいい。
……それでも、やっぱり今回は色々と厳しいだろうが。
「テスト、か。……まぁ、どれだけ勉強しているのかを見るって意味だと、決して間違った方法って訳じゃないんだけどな」
「何よ、急に。テストの批判?」
「別にそういう訳じゃない。ただ、ふと思っただけだよ」
実際、学校のテストというのは社会に出た時に使えるかどうかと言えば……答えは否だ。
勿論、知識というのはないよりもあった方がいいんだから、テストという制度を一概に否定はしない。
だが、順平や友近のように一夜漬けでやっているのを見ればな。
一夜漬けというのは、当然ながら実際の試験に対しては有効かもしれないが、本当の意味で知識を蓄えるという点では明らかにマイナスだな。
恐らく今日覚えた内容でも、1週間後、2週間後……1ヶ月後となれば、その殆どを忘れている筈だ。
社会に出て高校で習った勉強を殆ど使わないとなれば、それも間違いではないんだろうけど。
……そういう意味では、順平が将来どういう職業に就くのか気になるな。
美鶴は間違いなく桐条グループの後継者になるだろうし、真田は格闘家。ゆかりは……意外と女優? 荒垣は料理人の可能性が高いな。山岸は普通のOLと来て……有里はちょっと想像も出来ない。
そんな風に思いながらも俺とゆかりは教室に到着する。
教室の中は、予想通りに殆どの生徒が最後の足掻きとばかりに勉強をしており……そこにやがて鳥海が入ってくると、いよいよ期末試験が始まる。
夏休み前の、高校生にとっての最大の試練の始まりと表現してもいいだろう、そんなテストだったが、当然のように俺は特に緊張したりせず、テストに挑むのだった。
放課後、友人と女同士で買い物に行くというゆかりを見送り、順平や宮本は一
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