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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
侍娘-クリスティナ-part3/クリスの師
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けだった。
シュウも彼女の反応に対して思うところがあるような顔を浮かべるが、この場ではなにも言わなかった。
そろって表情が晴れやかといえないシュウとテファのせいで、周囲の空気が重くなるのを感じたサイトたち。
「…あいつを迎えに行く」
 リシュはこの時、コルベールが独自に製作している独自の発明品に興味を持ったらしく、彼のもとにいる。面白いおもちゃを見つけたような感覚なのだろう。シュウはその一言を残して部屋を後にした。
 この日は結局その場で解散となった。



「なんか、ごめんな。あいつ、初めて会った時からあまり人付き合いをしたがるタイプじゃないみたいでさ。本当はいい奴なんだけど…」
 シュウたちの部屋を後にした後、サイトが前を歩いていたクリスに向けて言った。
「あいつそんなにいい奴かしら?主人であるテファに対して冷たすぎるし…確かに、あいつの昔のことは気の毒だけど…」
「過去?」
「ルイズさん!」
  直後にルイズが疑惑を寄せるが、ハルナがすぐにし!と人差し指で黙るように伝える。ルイズも慌てて口を抑えた。頑なに話したがらない、それもその人にとってトラウマの塊でしかない思出話などうっかりでも口にすべきではない。
「優しいのだな」
 振り返ってきたクリスは微笑みを返す。少し気になることを耳にしたが、触れて はならないのだろうと察した。
「とはいえ、実のところ少し残念だと思ってもいる。お前やハルナ、そして師匠と同じ故郷の人間だから、きっと立派な侍魂を持っているのだろうと思っていた。アンリエッタも、彼から多大な恩義があると言っていたから、きっと素晴らしい人間なのだろう。だが…なぜだろうな。私には、彼が…泣いているように見えた」
「泣いてる?」
ルイズがクリスに問いかけるように呟く。
「剣士も侍も、相手の表情、出方を見るものだ。それで相手の表情を見て、次にどのような手を出してくるか予測する。それに伴って、相手が何を思っているのか、憶測ではあるが察しを付けるのがうまくなるものだ。だからかな…そう思ってしまったのは」
 クリスは彼の過去を知らない身だが、何か辛いことがあったのを、会って間もないのに気づいたことに、サイトは驚いた。
 しかし、ティファニアならともかく、シュウが泣いてる…想像し辛い。だが城でシュウがようやく自身の過去を話した事もあって理解できた。あの想像を越えた辛い過去ゆえに、シュウの自分を追い詰め続けるような戦い方…いや、生き方をティファニアが心を痛めている。それに対し、シュウが彼女に対して後ろめたいものを感じているのだろう。
 でも、シュウのあの、身を削りすぎた姿勢は許しがたいことだ。最後の最後まで生きてみせるのが人間だ。自己犠牲前提なんて、自分も周りも不幸にするだけだ。
アルビオン脱出を気に溝が出来上がって
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