侍娘-クリスティナ-part3/クリスの師
[8/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
た理由は 不明だが、もしかしたら何かしらの方法で元の時代に戻っていったのかもしれない。
「『強者とは常に孤独な者』、師匠はその言葉だけを残し、去っていった。もしかしたらいつか女王になる私に、覚悟を決めるように言っていたのかもしれない」
それを聞いて、サイトは会えないという事実に落胆しつつも、どこか納得した。影竜もウルトラマンと同じように、各地を旅して、旅先で遭遇する魔物たちと戦う道を選んだ。各地に自分の力を必要としてくれている人々がいたからだ。いつかは離れることになるんだ。自分と、ルイズたちがそうであるように…。
いつか別れが来る。そう遠くない未来で。ずっと忘れていたことを思い出したサイトは、クリスと自分を重ね、胸が締め付けられるような感覚を覚えた。サイトのその表情の変化に、ルイズとハルナ、そしてそれを遠い場所から見るようにシュウとテファも気づいた。
「サイト、同じ侍であるお前もどこかに旅立つのか?」
クリスが寂しげに視線を向けながら、ルイズたちが抱き始めた不安を問いかけてくる。
「…確かに、地球には母さんを残してきてる。だから帰りたいと思ってるのは確かだ。でも……」
そっとルイズたちに視線を向け、サイトは首を横に振った。
「俺はルイズの使い魔でもあるし、同じようにこの世界に迷い込んできたハルナも守ってやるって決めてんだ。その役目を放棄してまで帰っても、それこそ母さんに会わせる顔がないよ」
「サイト…」
「平賀君…」
少し寂しげに、自分が抱いていた願望を口にするサイト。
方でルイズとハルナは、まだサイトが自分たちのそばにいてくれるつもりであることを知り、安心と共に心が温まるような感覚を覚えた。
「ただ…あと一年早く会いたかったな。シエスタのひいじいさん…フルハシさんにも、結局会えずじまいだったし」
「フルハシ?」
サイトが新たに口にした人物の名前を聞いてクリスは首を傾げる。サイトは、シエスタの曾祖父もまた地球の日本人であり、地球を守った組織の一員の者だったことを明かした。クリスはそれに大変興味を抱き、シエスタからも後日話を聞いてみようと喜んでいた。
しかしテファは、クリスの師が一人旅に出たと聞いて、シュウの方に視線を向けた。妖魔退治のために生涯を捧げた武士。大切な人や多くの罪もない人たちを守れなかった贖罪。影竜の生き方と、シュウのウルトラマンとしての姿勢が、なんとなく重なっている気がした。 そして不安と恐怖を覚える。シュウがいつか自分のもとからどこかへ消えて、そこで…。今はリシュの言葉で落ち着いているが、もしまた、今まで通りの戦いの道を行くことになるとしたら…
もしそのときが来たら、私は…。
「……」
「テファ?」
「なんでもない…」
口にすることも怖くなったテファはルイズからの呼び掛けにも、曖昧に返すだ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ