侍娘-クリスティナ-part3/クリスの師
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ると思うぞ」
「………」
クリスはシュウとテファを見て、サイトとルイズの関係と比較しつつも評価していた。だがシュウは、無言だった。重すぎる過去を背負うがゆえに他者にそれを背負わせまいとした結果、ティファニアを傷つけてしまったシュウ。そんなシュウの心を支えたいテファ。お互いにクリスが言うような信頼関係がある、と言うにはまだ早かった言えなかった。
「どうしたのだ?どこか体の調子でも悪いのか?」
「…君が気にすることじゃない」
「むぅ…」
冷たく突っぱねられたクリスは少し寂しげだった。
「ねぇちょっとあんた。いくら彼女が王女として接することはないって言ったからって、態度が冷たいんじゃないの?心配してもらってる身だっていうのに」
「いいんだ。私は気にしない。彼のような人間がいてもおかしくない。寧ろお節介だったのかもしれないしな」
冷たい態度のシュウに不快感を覚えたルイズが食って掛かるが、クリスは彼女に向けて首を横に振る。
「で…でも、せっかく来たんだ。お互いの事よく知っておきたいだろ?クリスがどうして侍のことを知ってるのか、クリスと会ってからずっと気になってたんだ。シュウとハルナもここにいるし、聞かせてくれよ」
サイトは少し重くなりがちだった空気を換えようと、クリスと会ってから抱えていた疑問を口にする。実はクリスと会ってからここに来るまで、何度も彼女から日本のことをどうして知っているのか訪ねてきたが、なぜかことごとくたらいまわしのように聞きそびれてきた。最初は行内の案内を強引に彼女から頼まれたため、二度目はルイズとシエスタ、そしてハルナの勘違いによって、三度目はクリスがルイズたちのクラスに紹介された時。このとき授業開始前までわずかだったこともあって聞きそびれていたのだ。
「あ、私もそれ気になってました。クリスさん、どうして日本のこと知ってるんですか?」
ハルナもまたサイトに同調し、彼女がハルケギニアの人間でありながら昔の日本で有名だった侍について精通している理由を尋ねた。
「ちょうどよかったわ。サイトからも侍の事聞きたかったけど…」
ルイズも耳を傾ける。実は今朝、クリスがクラスメイトたちに自己紹介された際、侍の事をサイトに聞いたら「主なのにそんなことも知らないのか?」とクリスから言われてしまっていた。あくまで意外に思ってのコメントなので悪意はないのだが、サイトの主なのに使い魔である彼のことを把握しきれていない=貴族として怠惰ではないのかと言われているような物言いに受け止めてしまい、侍のことを何が何でも知ろうとしていた。サイトをきっかけにすると、興味がなかったはずの事にもすぐに火がついてしまうのだ。
シュウも興味なさそう態度こそとっていたが、サイトたちがクリスに急かすのを見て、改めて彼女の服装を見る。考えてみれば、確かに気に
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