侍娘-クリスティナ-part3/クリスの師
[3/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
だ」
シュウからの問いにサイトが答えた。なるほど、人当たりのいい平賀らしい、とシュウは思った。しかし、本当に妙な少女だ、このクリスという王女は。
「君はなぜそんな恰好をしている?」
王女ならアンリエッタのように気品にあふれたドレス姿を着る者ではないのか?外人のコスプレのようである。
「なぜ?私はサムライだ。袴を着ることなど当然だろう?お前ならわかるはずだ、シュウとやら」
「「さむらい?」」
シュウとテファは声を揃える。テファにとって聞き覚えのない、シュウにとっても侍という単語については縁遠いものだった。
「ヴァリエール、この世界にも和風文化が浸透しているのか?」
「わふう…?クリスの格好のこと言ってるの?言っておくけど、クリスには悪いけど、彼女は私たちから見ても変わっているわよ」
何やら誤解を招かれかけていると気づき、ルイズはシュウからの問いを否定した。侍のことについてどうも反応が薄すぎたシュウに、逆にクリスは違和感を覚えた。
「む?シュウよ、お前はサイトとハルナと同じ国の者なのだろう?どうしてそのような反応なんだ?」
「何を勘違いしているのかは知らないが、俺は侍になった覚えはないし詳しくもない」
それを言ったら俺もなんだけどね、とサイトは口に出さなかった。クリスは侍として自分を認識し、友情を感じている。少女の純粋な夢を壊したくなかった。にも関わらず、シュウは遠慮なしだな…とサイトは呆れた。
「そ、そうか…サイトと同郷の者だと聞いたから、てっきりお前もそうだと思っていたのだが…」
現に、シュウのことも侍だと期待していたクリスは残念そうにしている。
「そもそも生まれてしばらくの間、ダラスで暮らしていた俺は日本文化には疎い方だ」
「ダラス?ハルナ、わかる?」
「えぇっと、確かアメリカの…って、えぇ!?黒崎さんって、アメリカ出身だったんですか!?」
「マジか!?知らなかった…」
サイトとハルナの二人は驚愕した。同じ日本人名で見た目も日本人そのものだから全く気付いていなかった。
「「あめ…りか?」」
ルイズとクリスはまた聞きなれない異世界の単語に困惑する。テファは一応あらかじめ聞いたことはあったが、口頭で聞いたことがあるだけで詳しくはない。
「あ、アメリカっていうのは…」
気付いたハルナがすぐに、簡単に二人に対してアメリカに関しての説明を入れた。異世界の国だからいまいちピンと来ていたわけではないらしいが、少なくともシュウが日本育ちだったわけではないということだけは理解した。
「なるほど、民族という観点から見れば同族だが、育った国が違っていたということか。それならサムライに詳しくないのもうなずける。
だが、ルイズとサイトと同じように、ティファニアの傍にいるようだな。少なくともその信頼関係は二人にも匹敵す
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ