第四十三話 阿波野君が気に入れられてその十一
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「全体ですよ」
「小さいわよ、私」
「その小柄さがいいんですよ」
「小さいのに?」
「そうですよ、その小柄さで」
阿波野君が言うにはです。
「童顔で黒髪でしかも八重歯で垂れ目で」
「スタイルは?」
「均整取れてますよ」
そうだというのです。
「しかもお肌は白くて」
「だから胸ないのに」
「胸ないのなんて関係ないですから」
阿波野君にしてみればそうみたいです。
「先輩外見も凄くいいですよ」
「そうかしら」
「はい、何か劣等感おありみたいですが」
「それはね」
特に小さいことと胸がないことがです、とにかくこの二つのことがいつもどうにかならないのかしらと思っています。
ですが阿波野君が言うにはです。
「そんなの気にすることないですよ」
「背と胸のことは」
「というかどうして気にするんですか?」
逆にこう聞かれました。
「全体のことですから」
「身体全体の」
「そうですよ、先輩全体的にスタイルいいですよ」
「背が一五〇しかなくても」
「何度もいいますがそれがいいんです」
何か声が熱くなってきました。
「先輩は」
「小柄なのがいいなんて」
「どうかしました?」
「変わってるわね」
男の子は皆背が高い娘が好きだと思っています、そのことは本当に信じられなくて驚いています。
「それはまた、けれど」
「けれど?」
「阿波野君がそう思ってるならいいわ」
「そうですか」
「ええ、阿波野君の好みだから」
そこまで言うことが出来ないです。
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