第六幕その二
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「この西瓜もね」
「美味しくてだね」
「奈良の名物の一つなのね」
「そうなのね」
「奈良盆地はお水がよくてね」
このことは昔から定評があることもです、先生はご存知です。
「そのせいでね」
「西瓜も美味しいんだ」
「英語でウォーターメロンっていうしね」
「殆ど全部がお水だし」
「それならね」
「畑のある場所のお水がいいと」
「味もよくなるわね」
皆もこうお話します。
「本当にね」
「それでね」
「だから奈良の西瓜は美味しいのね」
「郡山の西瓜も」
「そうなんだ、日本はお水がいいけれど」
先生はここでイギリスのことを思い出しました、先生のお国を。
「硬水じゃなくてね」
「というかイギリスでお素麺ってね」
「西瓜もね」
「何か違うわよね」
「想像も出来ないわ」
「ロンドンでお素麺とか」
こう言ったのはガブガブでした。
「もう想像も出来ないよ」
「建物も気候も合わないわね」
ダブダブも言います。
「どう考えてもね」
「そうだね、イギリスの何処でもね」
チーチーも二匹と同じ意見でした。
「西瓜はともかくお素麺は合いそうにもないね」
「イギリスのお庭でこのお素麺を食べる」
ジップは少し想像してみました。
「何かが違うね」
「というかイギリスでお素麺を作っても」
トートーはこの場合について考えてみました。
「お水の関係でこんな味にはならないよね」
「絶対に違う味になるわね」
ポリネシアも思うことでした。
「この三輪素麺とはね」
「若し同じ作り方で同じ食材でも」
ホワイティも考えてみました。
「やっぱり違ってくるね」
「特にお水だね」
「そうね」
チープサイドの家族もよくわかりました。
「このお素麺を入れているお水も美味しいし」
「イギリスのお水と全然違う感じで」
「硬水ってどうしても違うんだよね」
老馬はイギリスでいつも飲んでいて浴びていたお水の感覚を思い出しています、それが一体どういったものか。
「こうした軟水と」
「そうそう、飲んでも毛に感じる感触も」
「硬いんだよね」
最後にオシツオサレツが言います。
「どうにもね」
「チョークが入っていてね」
「そこが違うんだよ」
先生も実際にとお話します。
「イギリスで西瓜を作ってもね」
「こうした味にはならないのね」
「奈良で作るからこうした味になるんだね」
「お素麺も西瓜も」
「どちらも」
「そうだね、あとね」
ここで先生はお素麺のおつゆの中の薬味や香辛料も見てお話しました。
「おつゆの中に梅やお葱が生姜を入れるとね」
「そうそう、違うね」
「もうね」
「味がさらによくなるわ」
「ぐんとね」
「僕は梅や生姜を入れているけれど」
見れば先生のおつ
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