第3話
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「ああ、その通りだよ。全く」
「正直に言うぞ、リュウジ。」
急にアルが声色を変える。
「・・・なんだよ」
「例え管理外世界にいても魔法関連の事件に巻き込まれる可能性はゼロじゃない。」
その通りだ。アルの行っていることは正しい。僕たちがコンビを組んでいたときに担当した事件のそのほとんどが管理外世界の事件だったのを覚えている。
「それに、お前が行った第97管理外世界な。かの『ギル・グレアム』の出身世界らしい」
「何!?あの歴戦の勇士、グレアム提督か!?」
「ああ、彼は出身世界で局の魔導師と出会い、魔法に目覚めたそうだ。つまり・・・」
「わかってる。独学で学ぶより、本格的に魔法の勉強をして自衛の術を持っていたほうがいいってことだろ?」
「そういうことだ。まだまだ、頭のキレは衰えていないな。」
アルの言うことはわかっているつもりだ。魔力に覚醒したんだ。おそらくリョウにも僕と同じあの力があるはずだ。
そうなると、魔力の制御をしなければならず、ほおっておけばどうなるかわかったものじゃない。
「それに、もし事件に巻き込まれたらお前たち二人だと攻めに転じれないだろ?」
「・・・そうだね」
僕は支援型魔導師でカレンは典型的な結界魔導師だ。
並大抵の犯罪者なら撃退も可能だが、手練や集団だった場合に家族を守りきる自身は正直ない。
「・・・守るって誓ったはずなのにな・・・」
「何も、大切に箱の中に閉じ込めるのが守るって方法だけじゃないぞ。」
「・・・そうかもしれないな。でも、僕を超えるといった以上、僕が認めないとそっちには行かせないからな?」
「わかってるよ。そうだ、ちょっと情報な、お前も気になってただろうし。」
なんの情報だろう?もしかして、あの事件関係のだろうか?
確か、最後にミスが起きて事故が起きたと聞いていたが・・・
リューネが死んだあとは極力あの事件関係の情報は遠ざけていたから詳しいことは知らない。
知ろうと思った頃には情報規制がされていたから、アルに調査を頼んでいたのだ。
「あれの事件の最後にクライドの奴が殉職したそうだ」
ガタっと、座っていたテーブルの椅子を立った拍子に倒してしまう。
「クライドが・・・死んだ?」
「ああ。正確には死んでいただがな。リューネが逝っちまった後にだ」
そんな・・・リューネだけじゃなくてクライドまで死んでいたなんて・・・
クライドも僕とアルと同期生で同じく同期のリンディと結婚して息子もいたはずだ
「それでな、クライドの息子がこの春に入局した。」
それも衝撃だった。
まさか、クライドの子供が・・・確かリョウの一つか二つ上だったような気がする。
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