第3話
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とは、独学で学ぶことに限界がきはじめて、そこにアルからの誘いがあって本気になってしまったってことか」
さすがに執務官をしていただけはある。あれだけの話の内容で状況を理解した。
正直、いまでもリュウジさんが管理局を離れたのは損失だと思う。
彼にとっても、局にとっても。
魔導師ランクや総魔力は低く、支援型魔導師であっても、ずば抜けた状況判断力と情報収集力は提督陣も一目置いていたのだから。
それに、アルティス提督やリューネ先輩のような近接戦を得意とする魔導師とコンビを組ませるとほぼ敵はない人なのだから。
「やっぱり、僕が局を辞めたのはマイナスだと今でも思ってる?」
驚いた。私は口に出していないのに、表情だけ見てそう言ってきたのだから
「正直に言うと、その通りです。リュウジさんは局に・・・いえ、海にとっては必要不可欠な人でした。リューネ先輩や私のように陸の魔導師と分け隔てなく接し、他の陸の魔導師からも慕われていたあなたは管理局のこれからに絶対に必要だと今でも思っています。」
「そうだね。でも僕はこの道を選んだ。それを認めてくれたから君も来てくれたんだろう?」
リュウジさんの横に腰を下ろしていた私の肩をそっと、抱き寄せてくる。
「そうです。私は貴方の考えを受け入れました。だからリョウくんの考えもう軽量と思います。」
「そうか・・・リュートがもし、同じことを言っても?」
「ええ、もちろんです。」
「そっか、わかったよ」
「もしかして、リョウくんが私の子供じゃないからとこ思ってました?」
「・・・・・・・・・少し」
まったく、この5年、この人は何を見てきたんでしょうか?
少し腹が立ったので脇腹をツネってやりましょう。
「イテテテテっ」
「見損なわないでください。リョウくんは私の子供です。例え、誰がどう言おうと私の愛しい息子です」
「わかった、わかったから、もうつねらないで」
まったく、変なところで鈍感なんですから。
でもリョウくん。お父さんに勝つといったからには、勝つまで私は認めませんからね。
あなたのお母さんは意外と厳しいんですから
あの後、カレンがお風呂に入りに行くと、僕は通信パネルを展開する。
「よう、こんな時間にどうしたんだ?」
そこに映し出されたアルの顔が少しだけ憎く思える。
「どうしたもなにも、リョウに余計なことを吹き込みやがって・・・」
「ああ、そのことか。リョウの奴、もう話しやがったんだな」
「いきなり、話があるって言われて正直驚いたぞ。」
僕の疲れた顔を見てアルは苦笑する。
「くく、ま、お前の表情見る限り、8歳の息子の反抗期に手を焼いたってとこか」
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