ペルソナ3
1959話
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する理由が理解出来てしまった。
「アークーセールー……」
「あれ、お兄ちゃん! お姉ちゃんも! どうしたの?」
爆発寸前だったゆかりに声を掛けたのは、まだ小学生くらいの女……舞子だった。
そう言えば最近見なかったな。
ちょっと前までは、梅雨で雨が多かったから、こうして外で遊ぶというような真似はなかなか出来なかったのかもしれないが。
「舞子ちゃん、あのお兄ちゃんとお姉ちゃん、知ってるの?」
「うん。よくここで遊んで貰ってたんだ」
「ふーん。羨ましいなぁ」
「えへへ、そうでしょ」
よく見れば、舞子以外にも何人か子供がいる。
会話を聞く限り、どうやら舞子の友人らしい。
「わん? わんわん!」
「わ!」
嬉しそうに吠えるコロマルだったが、そのコロマルの声に驚いたのは舞子……ではなく、その友人達。
いきなりコロマルに吠えられたが、その声が険悪なものではないとすぐに理解したのだろう。
次々にコロマルを撫でていく。
「良かったな、コロマル。可愛がって貰えて?」
「コロマル? お兄ちゃん、この子、コロマルって名前なの?」
舞子が俺の方を見てそう尋ねる。
そう言えば俺がコロマルを犬と呼んでいたのと同様、舞子はコロマルをわんちゃんと呼んでいたか。
あの時はまだ、コロマルの名前とかが分からなかったしな。
「ああ、そうだ。俺も知らなかったけど、どうやらコロマルって名前だったらしいな。今度からはコロマルって呼んでやってくれ」
「うん! よろしくね、コロマル!」
「わん!」
舞子の言葉に、コロマルは嬉しそうに吠える。
うん、こうして見ると、やっぱりコロマルって犬とは思えない程に頭がいいよな。
元々、犬というのは頭がよく、人間のパートナー的な動物という一面もある。
狩猟犬とか、盲導犬とか、そういうのが一番特徴的だろう。
だが、コロマルの頭の良さはそのような犬達と比べても一線を画していると、そう思えるのは俺だけではないだろう。
その後、三十分程の間は舞子やその友人達がコロマルと遊んでいたが、やがてそれにも飽きたのか、それとも次の用事があったのか……ともあれ、境内から去っていった。
その後ろ姿を見送ったコロマルはやがてこっちに戻ってくる。
「わん、わんわん!」
もっと遊んでと言っているのか、それとも腹が減ったからドッグフードちょうだいと言ってるのか。
その辺りは微妙に分からないが、それでもこうして懐いてくれるのは、こっちとしては嬉しい。
「ゆかり、フリスビー貸してくれ」
「いいけど、アクセルがやるの? 珍しいわね」
「別にそこまで珍しいって訳でもないだろ? そもそも、フリスビーでコロマルと遊ぶってのは、前から俺がやったんだし」
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