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儚き想い、されど永遠の想い
27部分:第三話 再会その二

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第三話 再会その二

「それは変わらないね」
「はい、どうしても」
「では僕はあの時の光景を」
「忘れるしかありません」
 他には選択肢はない。そうした言葉だった。
「それはおわかり頂けるよう」
「わかっているよ。それはね」
 義正も答えはした。
「わかるしかないから」
「そうです。それではです」
「それでは?」
「木曜の夜ですが」
 話はそちらに移った。四日後のことである。
「宜しいでしょうか」
「パーティーにだね」
「はい、高柳代議士が主催されるパーティーに出席されますね」
「出ないといけないね」
 それは義務だとだ。それだというのだ。
「ここはね」
「そうですか。出席されますか」
「高柳さんは我が家とも懇意だし」
 八条家とだ。縁の深い人物なのだ。その縁で義正も彼を知っているのだ。
「それに。今度の商談では」
「新しい工場についてのですね」
「あの人と話をしたい。だからこそ」
「そうした意味も踏まえてですね」
「お話したいから。だから」
「わかりました」
 佐藤も主の言葉に納得した言葉で返す。
「それでは。その様に」
「手配を頼むよ」
「はい。そういえばです」
 ここでだ。佐藤はだ。気付いた様に義正に言ってきた。
「高柳さんにはご息女がおられます」
「そうだったね。三人の娘さんがおられて」
 義正もだ。彼に合わせて話していく。
「上の二人の娘さんはもう嫁がれたけれど」
「末の娘さんがです」
「まだだったね」
「はい、そうなのです」
 こう二人で話していく。
「その方ですが」
「まさかと思うけれど僕にかな」
 こう言ってだ。義正は苦笑いを見せてみせた。
「僕に。そのお嬢さんと会ってはというんだね」
「如何でしょうか、それは」
「ううん、それはね」
「宜しいのですか」
「御見合いはね。少しね」
「御見合いではありません」
 佐藤はそれは否定した。それとは違うというのだ。
「ただ。御会いされれはと」
「それだけなのかい?本当に」
「そうです。確かに本音はそうした相手として考えて欲しいのです」
 そうだというのである。
「ですが。旦那様がそう思われないのならです」
「強制はしないんだね」
「それをしても仕方ないですから」
「成程ね。だからなんだね」
「左様です。それでは御会いされるということで」
「うん、頼むよ」
 それはいいというのだった。義正もだ。
 そしてそのうえでだ。彼はこんなことも言った。
「あとはね」
「あとは?」
「この前主になったその高柳さんだけれど」
「三人の娘さんの兄君のですね」
「あの人にも会っておきたいし」
 こんなことも話すのだった。そうだ。

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