ペルソナ3
1958話
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についてどれだけ恨めしく思っているのかを知っているからこそ、そんな風に思ったのだ。
「はい。……だって、10年前って事は、それこそ桐条先輩はまだ子供だったんでしょう? なら、ここで桐条先輩を責めても、何も始まらないじゃないですか」
そんなゆかりの言葉に、俺は驚く。
ゆかりの父親は桐条グループにスケープゴート……いわゆる、生贄の羊とされた。
そうである以上、ゆかりが桐条グループを恨んでいない筈はない。
実際、今までの態度からも、まだゆかりが桐条グループを許していないというのは明らかなのだ。
そのスケープゴートにされた原因そのものが、美鶴の祖父が原因であり……つまり、現在のゆかりの立場は、父親を犠牲にした人物の後始末をしている……そう認識しても、おかしくはないのだ。
にも関わらずこの状況なのだから、驚くなという方が無理だろう。
もっとも、少し考えればこうなった理由は大体分かる。
多分……本当に多分だが、もしゆかりが俺と遭遇しないで、順平や有里、山岸、真田といった面々と同じ扱いになっていたのであれば、こうもあっさりと美鶴を許すような真似は出来なかっただろう。
美鶴とある程度の距離を取り……俺と一緒にいた事により、精神的に成長した。
その結果だと思いたい。
「ありがとう。僕からもお礼を言わせて貰うよ」
ゆかりにそう言ったのは、幾月。
そのまま、ゆかりが何かを言うよりも前に口を開く。
「さて、次の話題だ。といっても、今の話題にも関わってくるんだけど……影時間を終わらせる方法について、検討がついた。恐らく……いや、ほぼ間違いなく、満月の度に出てくるイレギュラーシャドウを全て倒せば、この件は片付く筈だ。こちらの調査によれば、残るイレギュラーシャドウは6匹。つまり君達は、もう半分影時間を解決しているという事になるんだ」
そう告げる幾月の言葉に、俺を含めて聞いていた者は驚きの表情を浮かべる。
いきなりの情報だし、それも当然だろう。
それに……何となくだが、幾月の言葉を本当に信用してもいいものかどうかと、そんな風にも思ってしまうのだった。
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