第三話「チカラとは?」
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返り血がシャワーのように噴出して、俺の仮面やアーマーへ降りかかる。
血を吐きだして二つの部位に引き裂かれた装着者は絶命して地面へと叩きつけられ、それがさらに肉片となって半壊した固い地面の上で飛び散った。
地面へ着地した俺は、その周囲を呆然とした。
――嘘、だろ……?
ガクッと、膝を落として呆然とその地に染まった地面を見つめていた……
「九豪……君?」
衝撃音と振動に、気が付いて目を覚ました朱鳥はそのまま寝かされていたカウンターから身を乗り出してボロボロになった店を出てラージの気配がする元へ駆けだした。
「九豪君!?」
そこには、膝をつくラージの姿になった雷馬が居た。目の前の血と肉で染まった地面を目に彼は、呆然と悔しがり、悲しんでいた。
「九豪君……?」
そっと、彼女は彼の肩のアーマーへ優しく手を添えた。
「……りなんだよ」
「……?」
「……りなんだよ……無理なんだよ……!」
仮面越しから涙ぐむ彼の声は次第に悔しさへと変わった。
「無理なんだよ……俺に、『仮面ライダー』なんてっ!」
「九豪君……」
「怪人ならまだしも、人を殺った。でも大勢の人たちを平気で傷つけて許せなかった。でも……俺は殺した……俺は、仮面ライダーなんかじゃない!!」
理想から脱落したヒーローからは、その仮面からすすり泣く声しか聞こえてこなかった。
数日後
「凄いニュースだな?」
ある自宅にて、一人の少年は家事の空いた時間にテレビをつけてみればワイドショーを中断させた速報ニュースが飛び込んできた。
『今日午後、ラファールタイプとみられるISが市街地を襲撃し、後に「仮面ライダー」と思われる……』
「仮面ライダー……?」
少年は首を傾げた。そのしぐさの反応は、初めて聞く態度か、それとも……
「帰ったぞ? 一夏……」
振り返ると、不愛想な姉が帰宅してきた。
「ああ、今飯作るよ? 姉貴……」
ソファーから立ち上がると、一夏という……大柄な少年はわずかにニュースへ視線を向けながらも、何やら険しい表情をしつつ台所についた。
ある食堂にて
「まさか……!」
客らが目をくぎ付けにさせている天井辺りに置かれた客用のテレビには、速報でISのテロと思われるというニュースが流れていた。その途中では仮面ライダーなる存在も現れたという情報を耳に、調理中にも構わず飛び出してテレビを見上げる弾は、目を丸くした。
――まさか、九豪のやつ……!?
「ちょっと! お兄!? 早く戻ってきてよ! 焦げちゃってるってば!!」
「チッ……!」
舌打ちして、鬱陶しい身内が叫んでいる厨房に戻った。
「んもう! サボってないでまじめにやってよ? お兄!!」
「っ
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