第三話「チカラとは?」
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どれ、もう一口……と、俺はもう一度クレープへ口をつけようとしたところだった。
「……あれ? あれは!?」
口元にクリームをつけたまま、朱鳥が何かに気づいた。俺もそれにつられて窓を見た。
刹那、上空に映っていたISのシルエットは瞬く間に俺たちの元へ急降下して、その間合いへ飛び込んできた!
店舗のガラスは一斉に割れて、周辺の客は血相を書いて逃げ惑う。衝撃で飛ばされた俺は朱鳥をかばって共にガラスの破片が散らばる地面へ伏せ込んでいた。
「な、なんだ……!?」
ゆっくりと背後を振り返って窓辺を見た。そこには……
「あ……ISッ!?」
そう、飛行タイプのISで名は確か……ラファールとか言っただろうか? ニュースで見ただけの知識だから詳しいことはわからないにせよ、俺は仁王立ちしながらこちらへライフルを向けるラファールの装着者を見た。
「な、なんだ……!?」
「貴様が……例のマスクド・ライダーか?」
ラファールの装着者が問う。
「だ、誰だよ! アンタ?」
「質問に答えろ! お前たちが新たに発見された強化人間か?」
「……ッ!」
どうする? その唐突の問に答えればいいのか、否か……しかし、こっちにはどうすることもできない。今、仮面ライダーに変身して立ち向かったとしても、相手はISとはいえ装着は見ての通り女性だ。正義の味方である仮面ライダーが人を、それも女性を傷つけることなんてあってはならない! しかし、そんな美学を貫けるものだろうか?
「うぅ……九豪君?」
俺の胸の中で泣きじゃくる朱鳥を見て、俺はこれ以上辛抱ならなかった。
「ッ……」
しばらくして、俺の重い口が開いた。
「……だとしたら、なんだよ?」
「死ね!」
――そうくるかよ!?
ラファールは、両手のアサルトライフルを発砲する。俺たちをハチの巣にしようという気でいるようだ。ライフルの連射によって辺りは粉々になったのが煙に代わって辺りに立ち上がって俺と周囲の光景はその煙に包まれて見えなくなった。それでも、ラファールはライフルの引き金を引き続けた。
カウンターや展示されている洒落たオブジェなども次々と銃弾で微塵にされていく。天井の蛍光灯もバラバラになり。それも煙に舞ってしまう。
そして、銃弾が切れたところで状況を確かめるべく破片の煙が止むのを待ち続けた。
「やったか……?」
これだけの対戦車用小型貫通弾をこの至近距離で全弾命中させれば、いくら強化人間だろうと、ひとたまりもあるまい。
しかし……
「なにッ……!?」
煙が立ち去った目の前の状況は違った。そこには少女を胸に抱いて庇う巨体のアーマーを纏った強化人間の姿があった。
「……」
少女を抱き上げたままゆっくりと立ち上がる強化人間はそのまま背後のラ
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