第四十三話 阿波野君が気に入れられてその十
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「そうするから」
「冒険しないのね」
「冒険って言われても」
私個人としてはです。
「男の子の目の前で水着になるとか」
「出来ないのね」
「絶対に無理よ」
「奥手ね、昔はそうでもなかったのに」
「昔って何時よ」
「幼稚園の時とか年上の人と一緒に入ってたのに」
「幼稚園の時でしょ」
というか何で阿波野君の前でこんなことを言うのか。
「そんなの覚えてもいなかったわよ」
「あら、そうなの」
「今言われるまでね」
それを敢えて言うお母さんもお母さんです。
「完全に」
「けれど昔はそうだったじゃない」
「子供の頃じゃない、そんなことはね」
今はです。
「もう絶対にしないわよ」
「水着も」
「子供達の前では別だけれど」
中学の時おぢばがえりの付き添いでよく水着になりました、おぢばでプールが沢山用意されて皆そこに入るからです。
「それでもよ」
「この子の前ではなのね」
「絶対に着ないから」
「奥手ね、千里は」
「お肌見せるなんて」
半ズボンもミニスカートも穿かないです、膝までは絶対に隠しています。これは夏でも絶対に守っています。
「まして水着ってスタイル完全に出るのに」
「あっ、先輩スタイルいいですよね」
阿波野君が笑って言ってきました。
「そういえば」
「えっ、いい?胸ないわよ」
「胸が小さいイコールスタイルじゃないですよ」
私の胸のことはこう言ってスルーでした。
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