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楽園の御業を使う者
CAST22
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俺がそんな面倒な事をしないといけないんだよ?」

「…………できないとは、言わないんだね」

うぐっ!

咄嗟に彼女から顔を反らす。

「あー、や、まぁ、できなくも…ないかな?」

「ヘンタイ」

「やらねぇっつってんだろ」

「本当に?」

「ああ。そもそも俺がそんな輩ならこのパーティーには呼ばれてねぇよ」

「それもそう。
ところで、貴女の名前は?」

「ん?俺は千葉白夜。
一応世間では質葉白夜と名乗っている」

「千葉白夜…うん。やっぱりそうだ」

さて、じゃぁ用は済んだっぽいな。

「どこいくの?」

「え?あ、いや。パーティーとか面倒くさいし壁際で人間観察でもと」

「……………」

うわぁ…バカだコイツみたいな視線だぁ…

「な、なんだよ?」

「暇人?」

こてん、と首を傾げながら問われた。

「いや、俺は今から趣味の人間観察をだな…」

「暇なんでしょ?」

と今度は若干強めの口調で。

「いや、だから」

「ひ ま な ん で し ょ ?」

なんか目が据わってる…!?

「お、おぅ」

北山嬢の気迫に圧された俺は、そんな返事をしてしまった。

「じゃぁ、私の暇潰しに付き合って?」

「お前も暇なんじゃねーか」

「何か言った?」

「いえいえ、喜んで」

彼女に手を引かれて、会場の中心の方へ。

「おい北山嬢。俺は目立ちたくないから端にいたんだが?」

「私と居ればそんなに声はかけられない」

「あっそ」

たしかに、パーティー会場の真ん中なのに、彼女と居ると声をかけられない。

だけど、北山嬢がその中の一人に声をかけた。

「うん?雫、その子は…?」

「おとーさん、この子は白夜。質葉白夜。
さっきの一件静めた娘。
あと、テレビとかにもでてる」

「おお!君がかね!私は潮、雫の父だ」

「お噂はかねがね聞いております北方様」

北方潮、大企業を束ねる重鎮だ。

「うむ、礼儀正しいね。いい娘だ」

その後、パーティーはつつがなく進み、やがて終わった。

あの後七草真由美はみていない。

恐らく部屋で悶絶しつづけていたのだろう。

あと、潮さん(そう呼んでくれと言われた)に気に入られた。

今度潮さんの…というか雫の家に行くことになった。




パーティー会場をあとにすると、水波が待っていた。

「お疲れ様です白夜様」

「お迎えご苦労様」

「いかがでしたか?」

「結構楽しかったよ」

「おや、行きはあんなに嫌がっていたじゃないですか」

「うん、でも雫と知り合えたし、七草真由美のアホ面見れたから満足」

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