CAST22
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
俺がそんな面倒な事をしないといけないんだよ?」
「…………できないとは、言わないんだね」
うぐっ!
咄嗟に彼女から顔を反らす。
「あー、や、まぁ、できなくも…ないかな?」
「ヘンタイ」
「やらねぇっつってんだろ」
「本当に?」
「ああ。そもそも俺がそんな輩ならこのパーティーには呼ばれてねぇよ」
「それもそう。
ところで、貴女の名前は?」
「ん?俺は千葉白夜。
一応世間では質葉白夜と名乗っている」
「千葉白夜…うん。やっぱりそうだ」
さて、じゃぁ用は済んだっぽいな。
「どこいくの?」
「え?あ、いや。パーティーとか面倒くさいし壁際で人間観察でもと」
「……………」
うわぁ…バカだコイツみたいな視線だぁ…
「な、なんだよ?」
「暇人?」
こてん、と首を傾げながら問われた。
「いや、俺は今から趣味の人間観察をだな…」
「暇なんでしょ?」
と今度は若干強めの口調で。
「いや、だから」
「ひ ま な ん で し ょ ?」
なんか目が据わってる…!?
「お、おぅ」
北山嬢の気迫に圧された俺は、そんな返事をしてしまった。
「じゃぁ、私の暇潰しに付き合って?」
「お前も暇なんじゃねーか」
「何か言った?」
「いえいえ、喜んで」
彼女に手を引かれて、会場の中心の方へ。
「おい北山嬢。俺は目立ちたくないから端にいたんだが?」
「私と居ればそんなに声はかけられない」
「あっそ」
たしかに、パーティー会場の真ん中なのに、彼女と居ると声をかけられない。
だけど、北山嬢がその中の一人に声をかけた。
「うん?雫、その子は…?」
「おとーさん、この子は白夜。質葉白夜。
さっきの一件静めた娘。
あと、テレビとかにもでてる」
「おお!君がかね!私は潮、雫の父だ」
「お噂はかねがね聞いております北方様」
北方潮、大企業を束ねる重鎮だ。
「うむ、礼儀正しいね。いい娘だ」
その後、パーティーはつつがなく進み、やがて終わった。
あの後七草真由美はみていない。
恐らく部屋で悶絶しつづけていたのだろう。
あと、潮さん(そう呼んでくれと言われた)に気に入られた。
今度潮さんの…というか雫の家に行くことになった。
パーティー会場をあとにすると、水波が待っていた。
「お疲れ様です白夜様」
「お迎えご苦労様」
「いかがでしたか?」
「結構楽しかったよ」
「おや、行きはあんなに嫌がっていたじゃないですか」
「うん、でも雫と知り合えたし、七草真由美のアホ面見れたから満足」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ