ペルソナ3
1957話
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ああいう態度だったので、まさかゆかりの方から直接声を掛けてくるとは思わなかった。
正確には、声を掛けてくるにはもう少し時間が必要になると、そう思っていたのだ。
「何だ? もしかして、ゆかりも数学の宿題をやってきてないとかか?」
「そんな訳ないでしょ。……その、ただちょっとアクセルと話そうと思っただけよ」
「そうか。……で、何を話す? まぁ、これといって何か話題がある訳じゃないけど」
正確には話題にしたい事は昨夜の件も色々とあるのだが、それをここで口に出来るかと言われれば、間違いなく否だ。
「別に話題は何だっていいじゃない」
「そうだな。……なら、テストが終わったら、一緒に海かプールにでもいかないか? 折角の夏休みなんだし、たまにはデートくらいいいだろ」
「デ……そ、そうね。ええ、そのくらいはしてもいいかもしれないわね」
デートという言葉に一瞬声を上げそうになったゆかりだったが、それでも何とか余裕を持っているかのような態度を取り、そう言葉を返してくる。
相変わらずそっち関係には……いや、それもあるけど、やっぱり昨日の一件が尾を引いてるのか。
「どこかいい場所を知ってるか? プールにしろ海にしろ、この季節はかなり混み合っているのは間違いないだろうし」
既に7月だ。
当然この季節になれば、海やプールに多くの人が集まってくる。
そうである以上、行く場所というのは大事だろう。
「うーん、そうね。近場だと色々と不味いけど……私達だけなら、それこそかなり遠い場所でも大丈夫でしょ?」
「まぁ、それは否定しない」
プールはともかく、海に行くまで電車で数時間掛かるとか、そういうのは勘弁して欲しいが、俺の場合はそれこそ影のゲートを使えば、沖縄だろうとハワイだろうとタヒチだろうと移動が可能だ。
パスポートの類を持ってない状態で外国に行くのは不法入国になるが、影のゲートで移動する俺達をこの世界の人間がどうこう出来る筈もない。
……もっとも、影時間とかペルソナとかを見れば、決して魔法の類が存在しないという訳ではない以上、絶対確実に安全だと言い切れなかったりするのだが。
「うーん、そうなると海外とかもありなのね。ちょっと迷うわ」
「俺はどこでもいいから、ゆかりが行きたい場所でいいぞ。……ただし、影のゲートを使うんなら、行くのは影時間に関係している連中だけだな。……別に俺はゆかりと2人きりでもいいけど」
「ばっ、いきなり何を言ってるのよ! 馬鹿じゃない? てか、馬鹿じゃない!?」
驚くと2度同じ事を言うのは、ゆかりの平常運転と言える。
別に俺は冗談を言った訳ではないんだけどな。
もしゆかりがいいのなら、2人で海水浴に行っても構わないと思ってるし。
「とにかく……そうね、
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