ペルソナ3
1957話
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いいか?」
「カツサンド」
「高いって!」
順平の口から悲鳴が上がる。
まぁ、値段的には100円程度だが、高校生として考えれば十分に高額になるのか。
もっとも、順平は影時間に働いているバイト代として、それなりに美鶴から……正確には桐条グループから貰っているらしいが。
その報酬を考えれば、カツサンド程度の値段はどうにでもなるような気がするんだが。
「分かった。なら、焼きそばパンで手を打とう」
「……まぁ、そのくらいなら」
焼きそばパンもコロッケパンよりも高いが、カツサンドと違って10円、20円といった差でしかない。
そのくらいの値段なら、順平にとっても許容範囲だと考えたのだろう。
ちなみに、本当にちなみにの話だが、この世界には焼きそばパンではなく、焼きうどんパンというのもあるらしい。
この近辺では売ってないようだったが、TVでやってるのを見た。
まぁ、考えてみれば焼きそばも焼きうどんも、両方が麺類を炒めた料理だ。
そう考えれば、焼きうどんパンがあってもおかしくはないのだろう。
ただ、俺はあまり好んで食べたいとは思わないが。
きちんと商品として売れている以上、不味いって事はない筈だ。
けれど、イメージ的な問題でパンとは合わないような気がするんだよな。
ちなみに焼きうどん、俺が知ってる限りだと2種類の味付けがある。
醤油味とソース味。
ソース味なんかは、焼きそばにかなり近い感じになるが、俺の好みは醤油味の焼きうどんだ。
この辺もあって、パンに合わないというイメージがあるのかもしれない。
ともあれ、焼きそばパンでの交渉が決まる頃にはちょうど俺達も教室に入り、順平に数学のノートを渡す。
「一応言っておくけど、そのまま丸写しはするなよ」
「分かってるって」
俺の言葉にそう言って自分の席に戻っていく順平だが、本当に分かってるんだろうな?
言うまでもなく、俺はテストで1位の成績。
それに比べて、順平は……取りあえず赤点は取らないといった成績でしかない。
その辺りの事情を考えると、もし順平が宿題で出された問題全てを完全に解いているのを教師に見つかれば、丸写しされるというのが分かってしまう。
そうなるとこっちにも被害が出るんだけどな。
……ああ、でもテスト前になったにも関わらず、勉強を教えて欲しいと言ってこないって事は、友近や宮本も含めて今回のテストはそこまで危ないって訳じゃないのか?
ともあれ、俺の場合はテスト勉強をするにしても、基本的に学校の勉強だけで問題はない。
俺が知っている日本史や世界史の誤差を調整する程度でいいのだから。
「……ねぇ」
そんな時、ふと隣の席に座っていたゆかりが声を掛けてくる。
昨日の今日だし、今朝も
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