飛竜隊とミサゴ隊
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「こざかしいわぁ!!」
渾身の一撃だった。それなのにアジィールは腕1本でその攻撃を分散させてしまう。ただし、防ぎきれなかった攻撃は後方の味方の船に直撃していたが。
「ジュピターを拡散させるとは・・・」
「白兵しかねぇ。大将の船に降りるぞ」
ジュピターの充電には15分かかる。そんなもの待っていられないので俺たちはこの艦隊を率いているアジィールに直接勝負を申し込むために船へと降りた。
「やってくれたじゃねーの」
肩を鳴らして俺たちを見据えるアジィール。しかし・・・
「「「「うぷっ」」」」
「何ーっ!?」
俺たちは乗り物酔いに耐えきれずその場に座り込んでしまった。
「やっちゃった〜!!」
「そういえばこれ船だった!!」
「全員揃って・・・」
「シリル!!ウェンディ!!早くトロイアを!!」
「ごめん・・・無理・・・」
「自分が酔ってると効果0です・・・」
ここに来て妖精軍師の作戦に重大な穴があったことが判明してしまった。俺たちが乗り物酔いを起こすことを計算していなかったとは・・・
「なんだ、このふざけた奴等は」
敵の目の前でグロッキーになってしまう俺たちを見て呆れてものも言えない様子のアジィール。
「まぁいい。船の被害がでけぇ。何隻か地上に降りろ。こいつらは俺が片付ける」
「はっ!!」
指示を受けて他の船に指示を出す兵隊たち。アジィールはこちらに歩いてくると、ナツさんの胸ぐらを掴む。
「お前アルバレスで何てタンカきってたよ?笑わせるねぇ、こんなザコの集まりが―――」
そこまで言ったところで、突然俺たちと奴のいる船が別れた。落とされそうになったアジィールは慌てて手を離す。
「ハッピー、シャルル、セシリー、リリー。みんなを頼む」
そう言った女剣士はアジィールの後ろにいる兵隊たちを瞬く間に斬り倒した。
「何者だ」
「貴様を斬る者だ」
妖精女王ここに降臨。仲間をやられて怒るアジィールとの一騎討ちが始まろうとしていた。
「エルザ」
セシリーたちに抱えられ上空を飛んでいる俺たちは助けてくれた彼女の方を眺めていた。
「何隻か地上に降りたわ、私たちはそっちを」
「うん」
「急ごう〜!!みんな〜」
「わかってる」
「ここは任せるしかねぇ、船の上だし」
「エルザなら心配いらんだろ」
シャルルとセシリーに促され渋々地上へと向かう俺たち。でも、腹の中では自分たちの不甲斐なさで煮えくり返っていた。
「またエルザさんに守ってもらっちゃったね」
「・・・」
今度は俺たちがと言った直後にこの様。俺は左腕を抑えながら、地上へと急いだ。
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