第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#51
FAREWELL CAUSATION?〜Infernal Atmosphere〜
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【1】
Kき巨魁が眼前に迫る、甲冑の少女は紅き鎧翼を悠然と翻した、
一方の真王は彼女の存在に気づいていない、否、気づいているのかもしれないが
“気にとめられない” 路傍の石ころがどうでもイイように。
(私もアイツも、おまえにとってはただの塵以下ってワケ……ッ!?)
猛然と湧き上がる感情に、恐怖よりも怒りが勝った、
己が蔑ろにされる以上に、ソレ以上に――
(アイツ、泣いてた。私の前で……)
彼女の顔と声が鮮明に甦る。
(フレイムヘイズじゃない、殆どただの人間、
戦闘経験もない、戦う意味すら解ってないのに)
そんな彼女が勇気を振り絞り立ち向かっていった、
心をボロボロにしてまで救ってくれた、
なのに――!
(ソレを無視!? 幾ら巨大だからって眼中にも入らないの!?
ほんの僅かな惻隠すらッ! この倒木ヤローッッ!!)
別の誰かが乗り移ったように、少女の気勢も荒々しくなる、
事実他者の為に猛るその姿は、ソノ血統の者と瓜二つだった。
(眼にものみせてやるッッ!!)
烈気と共に光を放ちやがて造形の薄れる甲冑、そして抜鎧。
【鳳・鎧・真・象ッッ!!】
だが、常闇の樹王はコレに然したる関心を払わなかった、
羽虫が熱を持った所で反応する人間はいない、
それはより少女の怒りを増大させたが結果として
刳り出す術を阻害されずに討ち出すコトを成功せしめた。
【鳳 神 覇 導 烈 吼 破】
いま在る少女の焔儀大系では最大最強の威力を発揮するモノ、
しかし彼の獅子王すら焦壊せしめたこの奥義すらも、
果たして魔幻の真王に通用するのか?
地竜の鱗を噛み砕くK威を視れば
奇襲直撃してもその表皮を焦がすのがせいぜいと想える。
樹木は炎熱に弱いという定跡は、この真王には適合し得ない。
ならば狙うべき場所は何処か、ソレは既に決まっている。
煉灼と化した鳳凰は、標的に向かわず 『逆』 の方向へ、
底の視えない闇孔へと堕ちる。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
地脈流動。溶胎赤漠。
此処、シンガポールは環太平洋火山帯の西方に位置し、
その地表の深淵には無数のプレートやマグマ溜まりが無尽に走っている。
溶岩自体の温度は数千度、しかし問題はその膨大な積熱量、
万古に亘る経年でも劣化しない『普遍性』に在る。
−地球が放出する莫大なエネルギーに比べれば、
人間など取るに足らぬ小さな存在であり、
セントヘレンズ火山の爆発に匹敵するような
巨大な破壊力を持つ原子爆弾な
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