第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#51
FAREWELL CAUSATION?〜Infernal Atmosphere〜
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久凍結され、死ぬコトすら赦されない。
スタンドにも、数は少ないが “斃せない” 能力は存在する。
しかし 「消滅」 出来ずとも、大海や水底に沈める等の 『封印』 は出来る。
グォアァァァ!!!!!!!!!!
燃焼はせずとも流石に黒葉が飛び散り樹幹が傾いだ。
熔岩噴出の直撃に狼狽えなかった魔界の小生物が我先にと飛び出してくる。
先刻と同様、反射本能も受けずモロに被ったためその威力は如実に伝導する、
ソレが今回はプラスに働いた。
戦闘態勢を執っていないので大樹の足元は根を張っていない、
故にダメージは無くともバランスは崩れたため地球の引力には牽っ張られる。
元居た闇孔の縁に戻すのは造作もなかった、
裏を掛かれる処か攻撃とすら想っていないのだから。
(堕ちろ……!!)
支え返した指先で大地を差しながら、
少女は渾心の想いで己が分身を凝視した。
(堕ちろ……! オチロ……ッ! 落ちて……!!)
最後の方は懇願にも等しかったがそれも無理からぬコト、
真王が滑落するか踏みとどまるか、極論すれば世界の明暗を分けるこの局面、
伸るか反るか、熾烈の累乗を伴う危うい均衡、
その筈がいとも容易く、巨魁は堕ちた。
(やった――ッ!)
歓喜は虚ろに、寧ろ、え? ウソ? という心境だった。
勝利への執念が翳ったわけではない、が、余りにも、
余りにも呆気なさ過ぎるその結末。
否、無論、斃してはいない、誅してはいないが、
ソレに固執しなければこうもあっさり極まるものか。
人間も執るに足らない些細な傷、そこから細菌が入り込み死に至る事がある。
その過程を概論すれば須らく小さな脅威に 「無関心」 だというコト。
それが如実に働いた、堕ちるその瞬間まで相手は
自分が負けるとすら想っていなかったのだ。
「終わっ、たァーー」
ほぼ生まれたままの姿のまま、少女は罅割れたアスファルトの上で
大の字になった。
長い髪が散らばり胸元から腹部へサラサラと流れていく。
正に、疲労困窮の極み、 “真・灼眼” と覚醒精神の双乗が乗ったとはいえ、
必滅怒涛の超焔儀を連発したのは通常であれば絶命の危機に瀕する消耗。
鳳鎧の加護により外傷は負わなかったが、
内部は立つ力も残らないほどにガタガタだった。
本来なら、すぐにでもアノ場所に戻っていきたい。
眠りから覚めるまで、傷を癒しながら、その躯をずっと抱いていてあげたい。
(承太郎、終わったよ……)
最初にそう言ってあげるために、傍で、寄り添いーー
「ハァ……」
勝利の実感もそこそこに、すぐに戻らない体力にもどかしさを感じた。
勝つコトよりもその先に
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