第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#51
FAREWELL CAUSATION?〜Infernal Atmosphere〜
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実を焙ったような、
一呑みで身体も精神も従属させる危険な香気を露わにしていた。
(全ッ然、効いてない……!)
生まれたままの姿を戦風に晒す少女の躰を、
ソレとは異質の寒気が蝕んだ。
無論、微細な火傷は与えただろうが真王のKハは
彼女の超焔儀の直撃に耐え切った。
明確なる戦力、否、次元の違い、相性やツキの紛れる余地は存在しない。
――娘!――
声が、一番馴染んだ言語で、少女の脳裡に、頭蓋に響き渡った。
スタンドならば一能力として分類される異能、真王にとってはただの意志。
――妾が問うておる、苦しうない、応えよ――
痺れるような畏怖と共に存在を内視されているような、
得体の知れない洞線が赤裸の少女を襲った。
――不無、アノ男と同じ血族かと想いきや、
どうやら “種” が違うようじゃな?
常しえの現界故四方やと想うたが、流石に出来過ぎか、
快楽、快楽――
(な、何こいつ……! 喋ってないのに……ッ!
こっちの心を読んだみたいに……!?)
時空間を消し飛ばし未来への軌跡を露わにする能力、
ソレには及ばねど細胞レベルで相手の存在を見透かす洞力、
淘汰の世界では殺傷以上に必須の本能。
――成る程、アノ刻の紅世の小僧か。
未熟の果実と想い棄て於いたが、時の流れは疾きものよ。
“抓み頃” に生っていたという事か――
只の思念、他者への情意にも関わらず
神経を直に撫で回されるような凄艶さが少女を包む。
系統は違うがこの絶対的な感覚は、
嘗てアノ男に受けたのと同等の……
――訃、芙、腑、小僧に伝えおけ、
微睡より醒めたなら来訪せよ、と。
玩弄んでやる、とな――
常闇の巨眼が、陶酔と嗜虐を滲ませ露悪に歪んだ。
――最も、其れまで、この世界が遺っていればの話だが、な。
苦、矩、躯――
斃すべき男は海の彼方に、しかしソレに勝るとも劣らぬ脅威が現世に出現した。
否、思惑が無い分 『DIO』 というよりは “ディオ・ブランドー” に近い。
100年前のアノ時、ジョナサン・ジョースターの尊き犠牲がなければ、
世界は兎も角 “人類” は七日で滅亡していた。
今度の脅威はソレより速攻性はないかもしれないが
そんなことは慰め
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