ペルソナ3
1956話
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たが、それは殆ど意味をなさない。
うん、正直なところ、普段凜々しい美鶴がこういう風になるのって、破壊力が高いよな。
もし学校にいる――学校だけではないだろうが――美鶴のファンクラブの連中がこの表情を見れば、それこそ嬉しさからの雄叫びを上げるのは間違いない。
そして何も知らない奴であれば、その表情に一撃でノックダウンされ、美鶴のファンクラブに入ってもおかしくはないだろう。
「蹂躙は蹂躙でしょ。最後まではしなかったけど、それでも……」
勢いでそこまで言ったゆかりだったが、やがて自分が何を言ってるのかを理解したのだろう。そこで一旦言葉を止め、急激に顔を赤く染めていく。
これも……ゆかりのファンクラブが見たら、一発でKOされそうな表情だな。
「まぁ、お前達が何を言いたいのかは分かったけど……さっきも言った通り、あの一件は俺が望んで行った事じゃない」
「ちょっ! 責任回避する気!?」
ゆかりの声が周囲に響く。
これって多分、本当に俺を責めてるって訳じゃなくて、恥ずかしさから半ばテンパってるだけなんだよな。
普段のゆかりの性格から考えても、多分そうだと思う。
だとすれば、我に返らせる為には……ショックを与えるのが一番か。
「へぇ? 責任回避、か。なら……責任を取るような真似をしてもいいんだよな?」
壁に寄りかかってこっちを見ているゆかりに向かって、近づいてく。
「な!? ちょっ、アクセル!?」
突然の俺の行為に驚きも露わにするゆかりだったが、俺はそれに構わずに近づいていく。
「こんな夜遅くに1人暮らしをしている男の部屋に来たんだ。つまり、そういう事なんだろう?」
「ばっ、ちょっ、誰もそんな事は考えてないから!」
そっと頬に手を伸ばし、戦闘による影響とかが全くない滑らかな頬を撫でつつ、顔を近づけていく。
次第に近づいていくゆかりの顔は、戸惑ったようにしつつ……何故かそっと目を瞑り……
「私の前でそのような不埒な真似はさせん!」
残り数cmといったところで、部屋の中に美鶴の怒声が響き渡るのだった。
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