ペルソナ3
1956話
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がそう告げる。
「まあな。巌戸台分寮と違って、影時間だと電気とかはないから、その辺はあまり気にしないでくれ」
美鶴の言葉を聞く限りでは、今のところはそこまで怒っているようには見えない。
その事に若干だけ安堵しながら、この場にいるもう1人……ゆかりの方に視線を向ける。
そこでは、慣れた様子で壁を背に床に座ったゆかりが、何を言うでもなく俺と美鶴の2人に視線を向けていた。
ここで何かを言うべきか?
いや、けどここで何かを言えば、それが切っ掛けとなって俺がゆかりと美鶴の2人に責められる事になりかねないんだよな。
取りあえず仄かに存在する緊張感をどうにかするべく、空間倉庫の中から取りだしたペットボトルの紅茶をゆかりと美鶴の2人に渡す。
「ありがと」
「すまない」
それぞれがそう言ってペットボトルの紅茶を受け取るのを見てから、俺もまた自分の分のペットボトルの紅茶を取り出して口に運ぶ。
無糖のストレートティーだからか、甘さは殆ど感じない。
紅茶本来が持つ香り高さ……とか、普通ならそういう表現をするんだろうが、生憎と俺は別にグルメって訳じゃないので、そんな表現は得意じゃない。
……そこまで考えて、ふと思った。
こうして色々な世界に行っている俺だが、基本的には何らかの戦いのある世界に行く事が多い。
だが、それは絶対という訳ではないだろう。
そんな俺が、もし料理漫画の世界に行ったらどうなるのか……釜玉うどんだけで天下を取るか?
いや、ないだろ。
取りあえずそういう世界に行っても、料理人として活躍するのは無理だろうな。
かといって、料理を食べてその表現をする方でも無理だ。
となると……ああ、材料を獲る方であれば、どうとでもなりそうだな。
そうなれば、俺の特技とかも色々と使えるだろうし。
そんな風に半ば逃避行動をしていると、最初に口を開いたのはゆかりだった。
「それで、アクセル。一応聞きたいんだけど……何か釈明はある?」
「そう言われてもな。真田や有里から聞いた話から考えても、あの一件は俺じゃなくてイレギュラーシャドウの能力だろう? それに引っ掛かったのはどうかと思うけど、それを言うなら俺だけじゃなくてお前達も同じだと思うが?」
「あのね、それに関しては私も何とも言えないけど……それでも、私や桐条先輩の柔肌を蹂躙したのは事実でしょ?」
「蹂躙って……お前、その表現は……美鶴を見てみろ、露骨な表現に顔を真っ赤に染めてるじゃないか」
ゆかりの言葉を聞いた美鶴は、俺の言葉通り顔を真っ赤に染めていた。
それこそ、何かあればすぐにでも爆発してしまうのではないかと、そう思える程に。
「いや、私は別に……」
年上としての威厳からか、必死に取り繕おうとする美鶴だっ
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