第5章:幽世と魔導師
第144話「葉月の背負うモノ」
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、守護者に強い関係がある場所があるからです。
人の霊が、生まれ故郷を追い求めて彷徨うように、守護者もそう言った場所へ向かう性質があるからです。……私の場合、守護者の性質はそこまで詳しくないですが…。“トバリ”ならわかるんですけどね…。
「……逢魔時…退魔学園……」
東に心当たりがあるとすれば、それだけです。
あの時、同じことを呟いていた鞍馬さんも、同じ事を思っていたのでしょう。
「………嘘、ですよね……?」
守護者の移動する際の性質、大門との“縁”。
もし、逢魔時退魔学園が関係しているのだとしたら……。
「……どうして……なんですか…?どう、して……」
行き着いたその考えに、私は信じられずに呆然とします。
「……いえ、いえ…!飽くまでこれは逢魔時退魔学園が関係していたらです…!そんな事が、あるはずありません…!」
大門の守護者の正体。憶測でそれを考えるのは精神衛生上やめた方がいいですね…。
「(幽世の大門の閂に、“あの人”は確かになりました。……だと言うのに…)」
本来ならとこよさんがなる所を、“あの人”は友人を助ける体で成り代わりました。
大門を閉じるための閂に。そして、無理矢理私達を現世へと追い出しました。
……それなのに、今現在、各地の幽世の門は開いてしまっています。
「(……やっぱり、許せません…!)」
とこよさんが、姉さんが、“あの人”が、土宇裳伊様が、色んな人が自分に出来る事をやり尽して成し遂げた事。
……それなのに、それを台無しにしてしまうなんて…許せるはずがありません。
誰が悪いとか、何が原因とか関係ありません。
「(絶対に、閉じなければ……!)」
私は……皆さんの想いを背負っているんですから…!
=out side=
「ッ……!」
「…あら、目が覚めたのね」
どこかの山の中で、鞍馬は目を覚ます。
「ここは……」
「さぁ、どの辺りかしらね。まぁ、どこかの森よ」
「………」
鞍馬は、先程から独り言のような疑問に答えてくれる相手に目を向ける。
そして、その相手に驚愕した。
「……生きていたんだな」
「ええ。…私がいなくなったら、誰が七夕の人々の願いを叶えるのよ」
「…それもそうだな」
その相手は、織姫。
鞍馬と同じ、現代まで生き残っていた式姫の一人だった。
ちなみに、七夕での願いは、彼女が出来るだけ叶えているらしい。飽くまで現実的且つ可能な分だけだが。
「それよりも、何があったの?貴女程の式姫が、あそこまでやられるなんて」
「……式姫だ」
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