第5章:幽世と魔導師
第144話「葉月の背負うモノ」
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は避難場所の人達への説明、葵は探索の続行でまだ出ている。……式姫の二人だからこそだけどな」
「朝ぐらいには休ませないとな」
いくら夜でも動けると言っても、不眠不休は厳しい。
「あの……それで、私はどうすれば…」
「そうだな…とりあえず、休んでくれ。寝ている所を襲撃されたんだろう?いいよな、クロノ」
「ああ。部屋は優輝に案内してもらってくれ」
……ふと思ったが、クロノはいつ休むんだ?
指揮自体はクロノ以外でも出来るだろうから、その内交代するんだろうけど…。
「でも……」
「鞍馬と言う式姫の事や、妖の対処は任せてくれ。大きな行動を起こすのは、夜が明けてからの方がいいのは、わかっているだろう?」
「……はい。…すみません、焦ってました」
「気持ちは分かる。安否も気になる所だしな」
…そう。大門の守護者以外にも不安要素はある。
式姫の姿をした何者か。……まるで、僕らの偽物の時のようだな。
「さて、案内しよう。……と言っても、必要な所以外は他の人達に聞いてくれ。そうじゃなかったら不用意に近づかないように」
「はい」
個室やトイレ、食堂などの場所を教えておく。
一応アースラの地図もあるから、それを渡しておく。
これで大丈夫だろう。
=葉月side=
「じゃあ、用があったら誰かを呼んでくれ」
「分かりました」
志導さんは、そういってどこかへ行ってしまいました。
「……はぁ…」
疲れを吐き出すように、大きな溜め息を吐きます。
「……上手く、隠せていたでしょうか…」
そう言って、私は“体の震え”を抑えていた力を解きます。
「志導…優輝さん……」
私の体が震えていたのは、志導さんが原因です。
あの人を“視た”時、確かに式姫との“縁”も感じていました。
ですが……本当は……。
「っ……!何なんですか、あの、“縁”は…!」
恐怖とか、そういうのじゃなくて、ただただ“混乱”。
そんな感情が、私の中を駆け巡りました。
「……っ…はぁ……」
言葉では言い表しようのない“縁”。それが彼から感じました。
私の力は、縁あるものが遠すぎると意味がありません。
その点に置いて、見える時点で遠くない事が判りましたが……。
見えた上で“不透明”か“不明瞭”…もしくは、その両方…。
まるで、“見えているのに見えていない”かのような……。
「(あれほどのものを、隠している…?いえ、あの素振りでは、あの人自身、気づいていませんよね……)」
まるで、見てはいけないものを見てしまった気分です。
「(それ
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