第5章:幽世と魔導師
第144話「葉月の背負うモノ」
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だったと思います。……それに、他にもとこよさんを探す人達はいました。……ですが、やはり人間です。寿命には逆らう事が出来ず、そうでなくとも無茶が祟って…次々と死んでしまいました……」
「………」
「私もそんな人達とそう大差ない期間で死んでしまいましたが……それでも、背負っているんです。あの人たちの想いを…!」
「……それが、見過ごせない本当の理由…」
大切な人達が関わっていて、尚且つそれが完全に解決した訳じゃない。
それを生まれ変わってから知った葉月は、例え力不足でも見過ごす事はできなかった。
「……ですから、例え直接戦う事が出来なくても、じっとしている訳にはいきません」
「そうか……」
なんとなく、優輝は“同じ”だと思った。椿たちと……そして自分とも。
諦める事は出来ない。間接的にでもいいから、じっとしていられない。
それを優輝は椿たちからこの事件の最中に感じ取り、また、自分もかつてはそう言った感情を抱いていたからだ。
「…長々と、お話してしまいましたね」
「……いや、こちらとしても重要な話が聞けた。ただでさえ解決しなければと思っていたが……それが尚更強くなったようだ」
「…ありがとうございます」
話が一段落し、いつの間にか出されていた紅茶を飲み切る優輝。
そして、すぐに立ち上がる。
「……来るか?アースラに」
「アースラ……魔法を扱う組織の船…ですよね?」
「ああ。その物見の力は、今回は相当重要なものになってくる。君の背負っているもののためにも、協力して欲しい」
そういって、葉月に手を差し伸べる優輝。
葉月は、それを見て覚悟を決めた様子で握った。
「…はい。私の力が役立つのなら、是非」
「よし、なら、早速事情説明のためにも行かないとな。また転移するから掴まってくれ」
「分かりました」
直後、二人は転移魔法でアースラへと跳んだ。
もちろん、忍達が混乱しないようにアースラに戻る旨を書き記した紙を置いて。
=優輝side=
「……それで、結局連れてきたのか」
「ああ。“縁”を見る力…元凶を探すにはうってつけだろう?」
「……まぁ、そうなんだが…」
巻き込むのに気が引けるのは分かる。
だけど、彼女はそれに関係なく首を突っ込むだろうからな。
「各地の様子はどうなっている?」
「何とか持ち堪えている状態だ。交代しながら被害を抑えている。他の皆は大体が帰還して仮眠を取っているな」
「了解。……夜なのに持ち堪えているだけ上々だ」
夜は妖の力が増す。まぁ、魑魅魍魎の類は夜に出るのが普通だからな。
「椿
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