暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第144話「葉月の背負うモノ」
[3/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ず、そのまま残りの人生を過ごす事になったのだから。

「私は、早死にでした。やはり、幽世に長くいた事が原因なのでしょう。普通よりも、寿命が短かったようでした」

「……人生に幽世が関わっていたから、見過ごせない……と言う事か」

「はい。……それに、もう一つ訳はあります」

「ん……?」

 もう一つ、見過ごせない訳があると言う葉月。
 むしろ、こっちの方が大きな理由になると言わんばかりの雰囲気だった。

「死ぬまでの間、私は何もしていなかった訳ではありません。私は必死になって、友人を……“とこよ”さんを探しました」

「っ、その名前は……!」

「知っているのですか?」

「……うちの式姫の、前の主の名前だ」

 “繋がった”。そう優輝は思った。
 まさか、こんな所で情報が繋がるとは思わなかったのだろう。

「……悪い、話を続けてくれ」

「…はい。とこよさんを探して回っている内に、ある場所に辿り着きました。当時、陰陽師を育成する学園として栄えていた、“逢魔時退魔学園”に」

「逢魔時……退魔学園……」

 優輝にとっては聞いた事がない名前だが、心当たりはあった。
 神夜が言っていた“かくりよの門”に舞台として登場しそうな名前だったからだ。

「そこで、方位師という陰陽師を補佐する一人に会いました」

「方位師……確か、有事の際は陰陽師を強制帰還とかする立場の……」

 この辺りは椿たちに優輝は聞いた事があった。……ただし、触り程度だが。

「はい。“百花文”と言う方でした。私が学園に辿り着いた時、時を同じくして幽世の大門が閉じられました。……そして、閉じた陰陽師の方は戻ってこなかったのです」

「……その陰陽師の名が……」

「「“有城とこよ”」」

 椿たちから聞いた事と、神夜が勝手に言っていた“かくりよの門”の情報を照らし合わせた優輝は、葉月とほぼ同時に同じ名前を呟く。

「……どう思っているんだ?君の友人と、大門を閉じた陰陽師の関係性は」

「……同一人物だと、そう思っています。同じ名前で、大門を閉じれる程の陰陽師は、あの人以外にいませんから」

「そうか……」

 優輝には、否定も肯定も出来なかった。何も知らないからだ。
 今聞いた話も要点のみなので、細かい事情などは全く知らない。
 故に、軽々しい推測は述べられなかった。

「…話を続けますね。文さんと会った私は、詳しい話を聞きました。そして、共に探す事にしました。……ですが、文さんは病弱で、探す際の長旅に耐えられず……」

「………」

 口ごもる葉月だが、それだけで優輝は分かってしまった。
 病弱の身で無理をしたため、死んでしまったのだろう……と。

「きっと、無念
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ