第四十話 偸盗その四
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「是非」
「それではな」
「四人で大江山に行きましょう」
「そうするか」
「それとですが」
今度は良太が言って来た。
「大江山の辺りで、です」
「四人目か」
「らしき話も聞きました」
「丁度そこにか」
「あの近くには修行地として知られている山もありまして」
「その山にか」
「一人新たに入った、しかしそれでいて恐ろしいまでの力を見せている」
そうしたというのだ。
「若い山伏がいるとのことです」
「新たにか」
「はい、そこで気付かれますね」
「ああ、気付いた」
実際にとだ。英雄は良太に答えた。
「そいつはな」
「おそらくですが」
「俺達と同じだな」
「あちらの世界から来た方で」
「四人目だな」
「はい」
まさにというのだ。
「そうだと思います」
「やはりそうか」
「はい、そしてです」
良太は英雄だけでなく智と謙二にも話した。
「大江山に行く時にです」
「その山にもか」
「足を向けてです」
そのうえでというのだ。
「その山伏に会いませんか」
「よし、わかった」
英雄は良太の提案に即座に答えた。
「それならだ」
「はい、その山にもですね」
「行くか、ただその山に行く前にな」
「まずは偸盗達をですね」
「退治する、一刻も早く全員退治しないとな」
英雄は成敗とは言わなかった、退治と言っていた。それは彼の偸盗だけでなくそうしたならず者達自体への感情故にだ。彼はそうした連中をそこまで忌み嫌っているのである。
「さもないと都の人達が迷惑なままだ」
「そうした連中はですね」
「一刻も早く退治するに限る」
「それでは」
「まずは大江山に行く」
良太達に話した。
「それでいいな」
「では」
「これより」
智と謙二が応えた、そしてだった。
四人はすぐに都を出て大江山に向かった、都を出るとすぐにだった。
山地に入った、智はその山の中を見回して言った。
「自然な山でござるな」
「はい、日本の山ですね」
謙二も言う、山の中はあちらの世界の日本の山の中に生い茂っている草木ばかりだった。そしてそこにいる生きもの達もだ。
鹿が見えた、そして猿もいる。木の上には栗鼠がいる。
そうした動物達も見てだ、謙二は微笑んで言った。
「いい景色ですね」
「全くでござる」
「落ち着きますね」
「遠足に来た様でござる」
見れば智はその目を細めさせていた、そのうえでの言葉だった。
「こうした山にいますと」
「そう考えると楽しいですね」
「全くでござる、これで魔物がいなければ」
それこそと言うのだった。
「この中に庵を作って」
「その中で、ですね」
「暮らしたいでござるな」
「隠者の様に」
「それもいいでござる」
「そうですね」
「
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