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レーヴァティン
第四十話 偸盗その三
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「この島を統一し魔神を倒すことなぞな」
「出来ないですね」
「俺達の持っているものはそれぞれ神仏の力が備わっていてだ」
 そしてというのだ。
「俺達一人一人も強い、それならな」
「偸盗達をですね」
「倒せずしてどうする」
 こう言うのだった。
「そう思うがな」
「それではですね」
「これから大江山に行く」
「そしてそのうえで」
「偸盗共を残らず成敗する」
 これが英雄の考えだった。
「四人でな、もっとも一人でもだ」
「偸盗達程度はですか」
「倒せないと話にもならない筈だ」
 その程度の強さがなくてはというのだ。
「偸盗が只の人間の集まりならな」
「大江山といえばです」
 謙二はこの山について話した。
「私達の世界においてはあまりにも有名ですね」
「酒呑童子だな」
「彼とその手下の鬼達がいたとして」
 源頼光と藤原保昌、そして四天王達の手によってだ。彼等は神変鬼毒酒も用い鬼達を成敗したのである。
「有名です」
「そうだったな」
「はい、その大江山ですが」
「鬼ではないな」
「情報を集めますと」
 その結果わかってきたことだ。
「魔物達ではありません」
「そうだな」
「そして武器もです」
 彼等が持っている刀や槍もというのだ。
「別に業物はなく」
「只の賊だな」
「数は数百人といますが」
 それでもというのだ。
「只の賊達に過ぎません」
「そうか、ならな」
「特にですね」
「何でもない、俺一人でもだ」
 天羽々斬を持つ彼ならというのだ。
「大丈夫だ」
「そう言われますか」
「正確に力関係で言ったまでだ」
 世界を救う力のある刀を持ちこれまで数知れぬ戦いを繰り広げ勝ち進んできた彼ならばというのだ。
「俺一人で全員倒して帰って来られる」
「巨人一人よりもでござるな」
「楽な位だ」
 数百人の偸盗達もというのだ。
「まだな、それは御前等もだと思うが」
「確かに」 
 智は英雄に否定せずに答えた。
「巨人の強さを思えばでござる」
「初戦は只のならず者達だ」
 数百人いてもというのだ。
「暴れて武器を振り回すだけでな」
「烏合の衆である故に」
「何でもない」
 戦ってもというのだ。
「俺達ならな」
「だから英雄殿一人でもでござるか」
「大丈夫と言った」
 まさにというのだ。
「はっきりとな」
「そうだったでござるか」
「だから俺一人でもいいが」
 大江山に行く者はというのだ。
「それはだな」
「はい、やはりです」
 謙二が英雄のその考えに答えた。
「一人より二人、そしてです」
「四人いるならだな」
「四人で行った方がいいです」
 これが謙二の答えだった。
「人は多くいればです」
「多い方がいいな」
「途中どうした魔物
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