第九話 深淵と対峙する時
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こうとせず、戸惑った表情を浮かべていた。
凰香は視線を鋭くして加賀に言った。
「………何の真似ですか?」
凰香はそう言ったが、加賀は何も答えずに顔を埋めたままである。
凰香がもう一度加賀に言おうとした時、加賀が凰香の胸から顔を上げ、馬乗りの状態になった。
「提督」
加賀がそう言うが、その声は先ほどのものとは比べ物にならないほど低い。それに加え、憤怒や悲痛といったあらゆる感情も感じさせない。
一言で言うなら『無感情』。まさにそれであった。
突然の加賀の変わりように凰香達が動けずにいると、加賀が馬乗りの状態のまま白い道着に手をかけてゆっくりはだけさせ始める。
「加賀型航空母艦一番艦、加賀。今宵の『伽』を務めさせてまいります」
ハイライトの消えた闇のように暗い瞳で、加賀がそう宣言したのだった。
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