最終決戦の序曲
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のに、その息子までいるとしたら・・・
「陛下、ティオスにはあとで私から説明を―――」
「いいよ、インベル。全部知ってるから」
執政官であるインベルが今回の作戦の内容を今来たばかりのティオスに説明しようとしたが、彼はそれを遮り口を開く。
「狙いは永久魔法妖精の心臓。黒魔導士の恋人の体でしょ?」
まるでその場にいたかのように的確に答える彼に面白くなさそうな顔をするインベル。それに対しスプリガンは鋭い目付きで答えた。
「いいや・・・妖精の心臓は“魔法”だ。“人”ではないよ。それに目的は妖精の心臓だけではない。
イシュガルの殲滅だ。人類は一度滅びなければならない」
その時ゼレフの瞳の色が変化した。命の重さを忘れ、魔法を自由に使えるようになる黒魔導士の目へと。
「人類・・・ね」
「我々は“駒”だ」
「面白い解釈だな!!」
「完璧」
「早速作戦を立てましょう」
16のメンバーたちも気合いは十分。細かい作戦会議に入ろうとしたところで、この男が立ち上がる。
「その任・・・俺に任せてくれねーかな?」
好戦的な性格のアジィールが自らの部隊を率いて戦うことを提示する。しかし、スプリガンはそれを許可しなかった。
「いいや、君1人には任せないよ。総攻撃だ」
「バカな!!俺1人で十分だ!!ゴッドセレナが1番強ぇって大陸だぞ!!つまり!!俺1人でも殲滅できる!!」
アジィールの言い分に納得がいかなそうな顔をしているゴッドセレナ。ゼレフは彼の言葉を聞いて口角を上げる。
「それならそれでいいんだよ。全軍・・・全員での総攻撃。そこに意味があるんだよ。竜王祭が始まる、進軍開始だ」
いまだに納得できていないアジィールを宥めて作戦会議に入るアルバレス。その頃妖精の尻尾では・・・
「これから作戦を立てます。皆さん・・・よく聞いてください」
全員の視線を集めた初代。俺たちは妖精軍師といわれた彼女の策に耳を傾ける。
「ゼレフは全軍を率いて攻めてきます。私たちの置かれている状況は圧倒的に不利と言えるでしょう。テキハ今まで戦ってきた敵とは桁違いに強い。ですが、勇気と絆を持って戦い抜くのです。ギルドの力を見せてあげましょう!!」
彼女の鼓舞に拳を突き上げて答える。その頃別の場所では、アルバレスではないものが動き出していたようだが、それを俺たちが知るのはまだ先の話。
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