最終決戦の序曲
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新しい疑問が過る。
(なんでそんな人がゼレフの仲間になっているんだ?)
みんな思っているはずなのに誰も言わない。触れてはいけないことなのかとその場はスルーし、続きを聞くことにした。
「いるよ。君と同じか、それより強い子が」
「ほう」
それを聞いて天海は不快な顔をすることはない。むしろそうでなくてはと言いたげな顔をしていた。
「父さん。心配ないよ。僕が必ず妖精の心臓を手にしてみせるから」
そこで割って入ってきたのはかなり薄い金色の髪をした、まるで僧のような格好をした青年だった。
「“白き使者ラーケイド”。ゼレフを父のように慕っており、奴の命令にはほとんど背かんそうだ」
「父のように慕っている?」
「本当の子供ってわけじゃねぇのか?」
その時に初代の顔が複雑そうな顔になった。無理もない、愛した人が違う人と子供を作っていたら、それだけで不愉快だろう。
「ゼレフには1人子供がいるそうじゃが・・・それは奴ではない。その子供は・・・」
コンコンッガチャッ
作戦会議も終盤に差し掛かろうとしたその時、部屋の扉が大きく開かれる。
「遅いよ、ティオス」
「ひどいなぁ。これでも相当急いで来たんだぜ?」
珍しくスプリガンからたしなめられた黒装束の男はやれやれといった動きを見せながら空いている席へと座った。
「“神の子ティオス”・・・こやつは・・・」
その名前を出した瞬間、マスターがその場にうずくまった。心配した俺たちが駆け寄ろうとすると、彼はそれを制止して立ち上がり話を続ける。
「16の中でもダントツの魔力を持っておる。1年前に天海と共にアルバレスを攻め、わずか数時間でほぼ国を支配していたという話じゃ」
その話を聞いて思わず口を開けて固まってしまった。1年前の段階でスプリガンの先鋭部隊は14にいたらしいが、その全員が束になっても彼ら2人を抑えることができなかったらしい。
「じゃあなぜ今2人は仲間になっているんですか?」
「ティオスはゼレフに似た魔力を持っておる。さらにはゼレフが奴のことを知っていたらしく、ティオスもまたゼレフのことを知っていたことから今回の件を不問にし、共に戦う同志として迎え入れたらしい。ただ、16に対して滅多に怒らないゼレフが奴にだけは厳しい姿を見せることから、ティオスはゼレフの息子なのではないかと推測されておる」
それが事実かはわからないけど、もしそうだとしたらそれは大変なことだろう。ゼレフも相当強いって話な
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