第四十八話
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息づかいも荒くなっていた。
「…………はぁー!夢で良かったぁー!」
俺はそんなことを叫びながら、再びベッドに寝転がる。時計を見ると、○三○○。確か寝た時には二一○○だったな。
「…………風呂入ろ。」
俺はそう言うと、ベッドのシーツを取ると、汚れ物入れの中にぶちこむ。
そして、自分の部屋に向けて歩き出した。
…………色々と、謎が多い夢だった。
なんで俺が沈んでいたのか、なんで水の中なのに苦しくなかったのか。
そして。
「なーんで俺の両手があんなことに鳴ってたのかねぇ…………。」
青白い色の両手。
あの色は間違いない、深海棲艦の肌の色。
確かに、深海棲艦の中にも人型のやつは腐るほど居る。でも、なんで人型なのかってのは、わかってなかったはずだ。
…………まさか、な。ただの夢の中の話だし、特に気にしないでおこう。
「さてと…………風呂入ったあと、どうするか考えとかないとな。」
俺はそんなことを言いながら、廊下の角を曲がる。
「ん、なんだ、千尋か。どうしたんだ?こんな夜遅くに。」
珍しい私服姿の提督が現れた!▼
「いやー、目が覚めちまってな。そう言う提督はどうしたんだ?」
「僕かい?仮眠が終わったからこれから風呂に入って業務だよ。」
鉄人かよこの人は。縦縞の監督もビックリだよ。
「んじゃあ、俺も入っていいか?嫌な夢見ちまってな。」
「構わないよ。それじゃあ、先にいってるね。」
提督はそう言うと、入渠ドックの方へと歩いていった。
「さてと、早いとこ着替えとか取ってくるかな。」
俺はそう言うと、駆け足ぎみに自分の部屋に向かった。
―ドック―
「「はぁあ〜。」」
俺と提督は大きく息を吐きながら湯の中に浸かっていった。夢の中が冷たかったから、いつもより温かく感じる。
「そう言えば、千尋と二人で風呂とか珍しいねー。こんな時間に千尋が起きてるなんて無いわけだし。」
確かに、今まで一回も無かったのでは無いだろうか。
「しっかし、提督と大淀さんは、いつもどんくらい寝てるんだ?」
こいつらが寝てるって印象は殆どない。むしろ、寝てたら気持ち悪い。
「んー、二時間位かなー。それ以上寝なくても別に全然大丈夫だしね。」
人外だろ最早。
「ところでさ、千尋はどんな夢見たの?飛び起きるような夢って、漏らした?」
漏らしてねぇよ、と悪態をつきながら夢の内容を大雑把に話した。
「なぜだか知らないけど轟沈して、海の中で沈んでいって、両手が青白くなってた。艦娘が沈んだら深海棲艦にでもなるのかねぇ。」
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