「わたしは……わたしのことが知りたいです」
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ら、なんで最初からキリトたちのところに行かなかったんだ? 顔も出したくないみたいだし」
「んー……」
そう、NPCについて調べられるユイのことを知っているのならば、わざわざショウキたちの元に業務提携などと言いに来る必要はなく、最初からキリトたちを訪ねに行けばいい話だ。そもそもアルゴとキリトは昔馴染みだと話は聞いているし、久々の再会を喜びあってもいい筈だと。にもかかわらずメッセージでも存在を隠したいほどとは何故かと、そんな疑問をぶつけてみれば、アルゴは少し言いにくそうに口をつぐんだ。
「……いや、言いにくいことなら、別に」
「いや、そういうワケじゃないんダ。それに業務提携相手に限っては、秘密なんて言いっこなしだしナ」
焼肉はもうそこそこに堪能したのか、サラダをつまむアルゴにいわく。
「聞いてると思うが、キー坊にアーたんとは昔馴染みだからナ。女の子に慣れてないキー坊、ゲームに慣れてないアーたんは、それはもうアルゴアルゴさんって、オネーサンを頼りきりだったワケだヨ」
「……聞いてた話とはちょっと違うが」
「見解の相違って奴だナ。ま、そんなわけであの二人にとっちゃオレっちは頼れるオネーサンだから、降参して二人の娘にヘルプを頼む姿なんて、アッチも見たくないだろうからナ」
「……さいで」
「なに、要するに見栄っ張りなわけ? あたしもそういうのよく知ってるわー」
「ま、そうだナ。さて、オネーサンは赤裸々に恥ずかしいことを聞かれたし、コッチは何を聞いていいんだろうナー」
――要するに、情報屋としてちょっと苦戦している現状を、順風満帆な二人に知られたくはないと。ただの見栄っ張りじゃないか、という言葉を喉元で飲み込めば、あけすけにリズの口から放たれる。ついでにショウキへと流れるような連携による二連打が双方から放たれて、ひとまず彼女のために余らせ、まとめていたものをリズへと贈る。
「ま、それはいつかの楽しみにするとして……で、どうダ?」
「うん、アスナがユイを連れて来てくれるって……大丈夫みたいよ」
「ありがとうございます」
どうやら丁度アスナたちも《ALO》にログインしていたらしく、気づけばアルゴに脅される立場になっていたショウキを除けば、誰も彼もが上手く回っているらしい。しっかりと少女にも安心させる言葉を送った後、そうと決まればとばかりにリズは残ったものをかっこんでいく。
「あー、お腹いっぱい……あとは甘いものかしら」
「お前は何を言っているんだ」
「お腹いっぱいなのではなかったのですか?」
「ふふ、いいこと教えてあげるわ。女の子には、甘いものは別腹なのよ」
一秒で先の発言と矛盾するリズの言葉には流石の少女も気になったのか、本人もぷはー、と満
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