ペルソナ3
1955話
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思いの方が強いが。
ともあれ、俺達は先程の部屋に向かう事にして廊下を走る。
幸い……という言い方もどうかと思うが、山岸とはすぐに連絡がついた。
『皆さん、無事だったんですね。良かった……有里君と真田先輩も無事が確認されています。次の曲がり角を曲がれば合流出来ます!』
山岸がそう告げるのと殆ど同時に、有里と真田が曲がり角から姿を現す。
「美鶴! アルマーに岳羽も。無事だったか!」
「あ、ああ。どうやらそっちも無事だったらしいな」
真田の言葉に美鶴がそう答える。
答えながらも美鶴の頬が赤いままなのは、やはりあの時の事を思い出してしまうからだろう。
一瞬視線をゆかりの方に向けると、そちらでも同様なのか、やはり頬を赤く染めてる。
そして俺と視線が合うと、一層頬を赤く染めながら視線を逸らす。
ゆかりと美鶴はともかく、有里と真田の方は……と視線を向けるが、特にこれといって気まずい雰囲気はない。
「真田はどんな感じだったんだ?」
「ん? 俺か? 幾ら鍛えても全く筋肉がつかなくて、プロテインが存在しないといった幻覚を見せられた」
忌々しそうな様子だったが、なるほど。俺達とは違って有里と別々だったのか。
それなら有里と気まずい雰囲気がないのは納得出来る……と思ったところで、先程の部屋に到着する。
「行くぞ」
そう告げたのは、美鶴。
羞恥と怒りからか、その言葉にはいつもより力が入っていた。
そうして戦意に満ちた様子で扉を開くと……
「む?」
イレギュラーシャドウの姿がない部屋に、美鶴も……そして俺達も全員が首を傾げる。
『その……どうやら桐条先輩達に何かをしたイレギュラーシャドウ……もう倒されているみたいです』
「……誰がだ?」
『時間的に考えて、多分桐条先輩達の誰かじゃないかと……』
そこまで言われ、桐条が……そしてゆかりがこちらを見る。
当然だろう。もう1匹のイレギュラーシャドウを見つけたのは俺だったのだから、それを倒したと言われて真っ先に思いつくのは当然俺となる。
そして……俺にも、その倒した理由は想像出来た。
鬼眼……恐らく今回は、即死系の効果が発揮されたのではないだろうか。
確認する事は出来ないが、今の状況を考えるとそれが一番可能性が高い。
その辺りの説明をすると、美鶴とゆかりの頬が再び赤く染まっていき……
「しょ、処刑……処刑だ!」
「アクセルーっ!」
2人の乙女の口から、照れ隠し交じりと思われる怒声がラブホテルの中に響き渡るのだった。
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