ペルソナ3
1955話
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目の前に現れたご馳走に、即座に飛びかかっていただろう。
……もっとも、ゆかりにしろ美鶴にしろ、そんな事になれば殆ど反射的に反撃していただろうが。
うん、寧ろそうした方が早く我に返ったんじゃないだろうか。
扉越しでも分かる、部屋の中で着替えている音を聞きながら、俺も空間倉庫の中から着替えを取りだしてそれに着替える。
女の身支度には時間が掛かるというのは、よく言われる事だったが、今はイレギュラーシャドウとの戦いの場であるというのが分かっているのだろう。
それこそ数分とせずに部屋の中からは着替えの音が途絶える。
それを確認し……俺は扉をノックする。
「着替え終わったか? なら、そろそろ話をした……おわっ!」
最後まで言わせずに、扉が開いたかと思うと手が伸び、俺の手を引っ張って部屋の中に引き込む。
そうして部屋の中に入ってみれば、いかにも怒りを堪えてますといった険悪な……そして鋭い視線を俺に向けてくる、ゆかりと美鶴。
当然のように、2人はこのラブホテルの中に突入した時と同じ服装をしていた。
2人共、もし俺が何か下手な事を言えば、間違いなく何らかの行動に出るだろう。
……ただ、ゆかりの場合は我に返る前に色々とやっていたおかげで、身体の中に火がついてるんだろうが……まぁ、今の状況だと怒りで身体の中の火を意図的に無視しているのだろう。
俺が自分を見ているのに気が付いたゆかりが、目を吊り上げて何かを言おうとするも……その機先を制するように、口を開く。
「何で今のような状況になったのか、分かるか?」
「っ!? ……あんたねぇ、最初に言うのがそれ!?」
「あー……そうだな。どんな理由でこうなったのかは分からないが、一応謝っておく。悪かったな。美鶴も」
「……後で処刑だ」
一応ゆかりと違って、美鶴は今がどのような状況なのかを理解している為か、ここで暴れるような真似はしなかった。
ただ、後で処刑と言ってきたのは、間違いなく本気だと分かったが。
ともあれ、そんな訳で美鶴が大人しくしている以上、ゆかりも俺に怒ってばかりはいられないと気が付いたのか、自分は不機嫌ですといった様子を示しつつも、こっちの質問に答える。
「分からないわ。イレギュラーシャドウを倒したところまでは覚えてるんだけど」
「私もそれは同様だ。アクセルは?」
「俺もそうだな。……いや、待て。違う。あのイレギュラーシャドウを倒した後で何かが……そう、鏡だ」
「鏡?」
あの時の事を少しだけだが思い出した俺の言葉に、ゆかりが聞き返してくる。
「ああ。鏡。あのイレギュラーシャドウとの戦いが終わった後で、鏡の中にまだ何かいた。恐らくそいつが何かしたんだと思う。一応反射的にこっちも攻撃したけど、それが効果があったかどうかは分
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