暁 〜小説投稿サイト〜
楽園の御業を使う者
CAST19
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「あなた……男の…子?よね?」

「ええ、まぁ、一応男です」

「何でポニーテールなの?」

今の髪型は、赤毛を後ろで束ねたポニーテールだ。

「"るろうに剣心"ってマンガ知ってます?
百年くらい前の作品なんですが」

「いえ、知らないわ」

「そのマンガの主人公がこんな風に髪を束ねてるんです。
同じ剣術家ですし、どうせ女顔なら一番カッコいい格好をした方がいいじゃないですか」

「ふーん…暇があれば読んでみるわ。
ところでどうして百年も昔のマンガを知ってるの?」

「俺は道場の出身でして。
門下生にそういうのが好きな奴が居たってだけです」

「ふーん…」

「本番10秒前でーす!」

「ほら、始まるわよ?」

「ひゃい!」

ちくせう…



番組の内容は普通のバラエティ番組だった。

具体的に? 〈世〇一受け〇い授〇〉みたいなのを想像してくれ。

タイトルコールとゲストの紹介。

その最後に…

「そして最後のゲストはこの方!
質葉白夜くんです!」

司会の方に紹介されて席を立つ。

「質葉白夜です。宜しくお願いします」

質葉白夜(たちば・びゃくや)というのは俺のビジネスネーム(芸名?)だ。

「彼は先日のテロリストを制圧した我々にとっての英雄です!」

すると出演者やスタッフから拍手が上がった。

「それにしても君…小さいね」

「あはは…少し事情がありまして」

「でもそっちの方が可愛くていいじゃない」

と横の小和村さんに言われてしまった。

「俺も男ですからカッコいいって言われたいんですけどね」

あれ?出演者が凍りついたぞ?

「どうしました?」

「君…男?」

「はい男です…出演者リストに書いてたかと…」

「年は?」

「14になったばかりです」

えぇ〜!? 見たいな感じでスタジオが沸いた…

「はー…男の娘ってやつだね」

「親戚の子にも言われましたよ」

現在、俺の身長110センチ……

まぁ、アレだ。

小さい頃に"不変"になってから、自律神経…特に成長に関する身体機能が狂ったらしい。

「ちょうど私の膝にのせられそうね…」

と、小和村さんが俺の脇に手を入れた。

「ちょっ!やめてくださいよ!」

が、それをどうにか振りほどく。

「あら…以外に筋肉質ね」

「おーい、真紀さーん。そろそろ始めたいけど、いいかなー?」

と司会の方が小和村さんに声をかける。

「あらごめんなさい。好みの男の子だったものですから」

うぇあ!?

思わず身を引いてしまった。

「あら?可愛い者が嫌いな女は居ないわよ?
ですよね
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